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手延べ素麺の
表示法・JAS規格改正案の内定について
1,JAS規格改正案
2,「手延べ」表示に必要な手作業
3,表示法・JAS規格改正案の内定について
4,表示法・JAS規格改正案についてのまとめ
5,どうなる表示法・JAS規格改正
パブリックコメント
表示法・JAS規格改正への農林省議事録(’03,9,16)new
農林物資規格調査会(平成15年9月16日開催)資料
手延べ干し麺(手延べ素麺類のこと)の品質表示基準
定 義 手延べ干し麺
(手延べ素麺類)干し麺のうち、食用植物油、澱粉又は小麦粉を塗布してよりを掛けながら順次引き延ばして丸棒状又は帯状の麺に製麺し、乾燥したものであって、製麺の工程に置いて熟成が行われたものであり、且つ、小引き工程《かけば工程(よりを掛け交差させつつ麺線を平行稈に掛けることをいう。)を経た麺線を引き延ばすことをいう。》
又は門干し工程(乾燥用ハタを使用して麺線を引き延ばして麺とし、乾燥することを言う。)を手作業により行ったものをいう。
手延べ干し麺の日本農林規格の一部改正案
定 義 手延べ干し麺
(手延べ素麺)次に掲げるものをいう
1,
小麦粉に食塩および水を加えて練り合わせた後、食用植物油又は澱粉を塗布してよりを掛けながら順次引き延ばして丸棒状又は帯状の麺とし、乾燥したものであって、製麺の工程に置いて十分熟成が行われたものであり、且つ、小引き工程および門干し工程を手作業により行ったもの
2,
1に調味料又は薬味を添付したもの熟 成 麺の生地又は麺線を常温で一定期間放置することにより、次に掲げる変化を生じさせることをいう。
1,麺の生地については水分の均一化
2,麺線については、それを引き伸ばすことにより生じるグルテンの構造のゆがみの 復元
手延べ干し麺の規格(以前は生産方法についての基準であった)
基準 小麦粉に対する水の割合 45%以上であること 手作業の工程 次の工程を手作業で行っていること
1, 小引き工程《かけば工程(よりを掛け、交差させつつ麺線を平行稈に掛けること を言う。以下同じ。)を経た麺線を引き延ばすことをいう。以下同じ。》
2, 門干し工程(乾燥用ハタを使用して麺線を引き延ばして麺とし、乾燥することをい う。以下同じ。)熟成期間 熟成が次の期間以上行われていること。
1,混合工程(小麦粉に食塩および水を加えて練り合わせることをいう。)とかけば工 程の間の工程における熟成については、6時間(長径を1,7mm以上に成形する ものにあっては、3時間)
2,かけば工程と小引き工程の間の工程における熟成については、3時間
3,小引き工程と門干し工程の間の工程および門干し工程における熟成については 合計12時間
特に製造にあたっての今後重要になる事項について再掲載した。
規格改正案の結果から書こう。規格改正案は原案通りに可決された。(03,9,19)
したがって10月か11月には公示されるだろうということです。
移行期間を設けて(期間は現時点では不明)実施される。
(注)販売サイドから見れば公示されると直ぐに対応できなければ競争に脱落するのは明らかである。
どうすればよいかを考える前に現状をしっかり把握して対応の仕方を考えるべきだろう。
規格改正案はかいつまんでいうと「小引き工程」か「門干し工程」をどちらか手作業ですれば「手延べ」と表示できますよ。
45%以上の加水と熟成時間(期間)を上記のようにして、「小引き工程」と「門干し工程」の両方を手作業ですればJAS規格の認定が受けられますよ。 というものです。
現状でどのくらいの生産者が「小引き工程」「門干し工程」を手作業でしているだろうか?
小豆島では両方手作業でという生産者は片手で余ろう。片方手作業でという生産者は両手で余ろう。
全国に広げてもそれほどその率は変わらないと思われる。
そしてそのほとんどが老齢化し、機械化の波に乗れなかった生産者ではなかろうか。
つまり品質第一!手延べを守り、さらなる向上を目指しての手作業生産者はいったいどれほどなのか。
これほどまでに機械化され、大工場生産が可能になって、どちらか一方でも手作業でということになれば「手延べ」の範囲はグッと狭まり、「手延べ」の品位、名称、銘柄は皮肉ではあるが守られる。
どうしてもこれまで通りに機械生産(大抵の生産者が10袋以下だが)で「手延べ素麺」と名乗るのはできない。少なくともどちらか手作業にしなければならない。
人に見せ、話したときにどちらが「手作業」「手延べ」と思うだろうか?
対応の仕方
1,これまで通りに機械で生産する。→「手延べ」は付けられない。付けると表示法違反で100万円以下の罰金。
2,機械の横で1部手で「小引き」を引いた。機械の横で1部手で「素麺をさばいた(延ばした)。」と言う。
これで認められる?消費者は納得しますか?仲介業者は納得しますか?
認められたとしてきちんと製品を別に分けられますか?混ぜ込みませんか?
私は認められないと思うし、誰も納得しないと思いますよ。誰より何よりあなた自身がです。
3,どちらか手作業に変える。
作業的にみた場合。
小引きを手で引いて機械で延ばした場合、「デ」が追いつかず機械ではやく延ばす意味がない。
小引きを機械で引いて手作業で延ばした場合、「デ」を勘案しながら小引きをして延ばすことができる
品質的にみた場合
機械で延ばすためには加水量を少なくし、塩を減し、熟成時間を短縮するため麺の凝集性が増し、
(麺が硬くぼそぼそした食感)となる。
手で延ばすためには、柔らかくするために加水量を増やし、延ばすのに時間がかかるので
ダレないように塩も多く入れるだろう。
食味食感が大いに良くなって昔の手延べの味に帰ることができる。
(注)小引きを機械で引くことは、やりようによっては手作業を上回る成果を得られる(製造方法参照)
人に見せたとき、話したとき
手作業で小引きを引くか、さばくのかどちらが絵になるのかは明らかだろう。
4,両方とも手作業にする。
ただし、熟成時間も同様にしなければJAS規格とは認められない。
この熟成時間の取り方は「ある1部の産地の製造方法」であって、全国には様々な熟成の取り方で特色のある食味食感の「麺」を作っているのであり、それが食のバリエーション、麺のバリエーションとして消費者に古来より味わわれているのである。
それを何の理由もなく1部産地の生産方法だけを国の規格(JAS規格)として認めるのはおかしい。納得がいかない。今後消費者団体にも働きかけ、こういった不正を正さなければならない。
「手延べ」の生産工程は同じなのです。ですから生産工程を規定して、それをはずれていれば認めないとすればよい。
以上により私からの提案 「手延べ」を付けたいならば「門干し工程」を手作業でやりなさい。
更に使わなくなった機械は業者に売る(売れれば)か、廃棄処分としなさい。(工場には置かないこと。)
熟成時間については「インターネット」「パンフレット」など様々な方法、機会を捉えて消費者団体等に訴えかけ反対運動を起こすべきである。
販売競争に勝つためにはいち早い対応が肝要である。
他産地の対応をみてからでは遅く、先に対応し、卸業者など従来、新規を問わず営業努力をすればチャンスは広がる。経営者のセンス、能力が問われる一方で、この厳しさをチャンスに変えることもできることを見逃してはいけない。
つまり、移行期間があるからとのほほんとしているとお先真っ暗、気がつけばお得意様はすべて他業者、他産地のものとなりかねないということ。
JAS規格にとどまらず、掲示板で種々語り合いませんか?