門干し工程

 小引き後2時間〜3時間の熟成の後
     手作業での箸分け作業風景


これまでのすべての工程は、箸分け作業をベストの状態で行うためのもの。
           天日干し乾燥

麺線が少しさらっとしたら上、下から箸を入れ、
くっつきをなくす。
コマが2コマくらい降りるくらいに乾いたら、乾燥室に入れ(風も送らない)、もどしながらゆっくりと乾燥する。
急激な乾燥や過乾燥は麺肌のざらつきや麺割れにつながり良くない。
この工程が50年代半ばに機械化されたことによって「手延べ素麺の劣悪化」を徹底的に招いたといえる。
小引き工程の後2〜3時間の熟成を経て門干し工程に移る。
ゆっくり乾燥するということは素麺の表面がざらつかず素麺内部のゆがみが起こらないようにし、麺割れなど食味食感に悪影響を及ぼさないようにするためである。
私たち夫婦二人で手作業でハタ5台を延ばすのに3時間半から4時間かかります。
これを機械で延ばすと1時間で済むそうです。
ということはオデ工程からすべてこの門干し工程に合うようにしなければ作業はしにくいということなのです。
私が見聞きしたのでは
すべての生産者がそうではないと思うが、「手延べ」を逆行する行為だといえる。
門干し工程
1,袋引き作業(袋出し作業)
  小引き工程の後充分(且つ適正)な熟成の後
  門干し工程の袋引き作業にはいる。
2,箸分け作業
  長い箸を使って麺線を上下から分けながら延ばしていく
3,ハタ付け
  箸分けしたものを乾燥用ハタに付ける。
4,外に出してハタを上げて延ばし、少しさらっとしたら上下から箸を入れて麺線のくっつきをなくす。

ここまでが門干し工程である。

最後に小麦粉と手延べ素麺のコシについて

素麺の製造にあたり、強力粉を使用して作りたてからコシが強い厄現象など必要ないなどとまだ言っていないだろうか。それは単に硬いだけ。コシではないことをわかってほしい。

オデ工程  イタギ工程  ほそめ工程  掛け機工程  小引き工程  門干し工程
塩見製麺所  熟成と厄  加水量と塩  褐変現象と防止策