オデる前の準備工程
昔は天日でよく乾燥させたつぶしを塩水につけ充分にもどしてから小麦粉を入れたオデ機でオデたが、
現在では埃、ゴミ、虫、等の異物混入を防ぐために、まず水で充分(約4時間)戻し、その後水を捨てて機械にて攪拌、乳化するまで(約1時間)行い、これに塩水を加え、70メッシュの布で濾し異物混入を防いでいる。
このときの塩の量は明日の作業のために、天気、温度、湿度、風の強さなどを想定して微妙に加減をするのであるが、それは長年の職人の勘である。
「ふし」管についたUの字の部分
お汁に入れて食べるとおいしい。「ばち」
ふしと素麺の間で三味線のばち状になった部分。「ツブシ」を水に浸ける(4〜5時間) よく浸かったツブシを攪拌、乳化させる。(約1時間)
その後、塩水を入れよく攪拌する。70メッシュの布で濾す。
塩水…加水率約52% | オデ(混練)約30分 回転数5回/分 この段階では機械の力が強いのでダマがなくなり ほぼ均一に水分が行き渡ればよい |
オデた後桶に取りしっかりと足踏みをする 目的:脱気と生地を1つにし水和とグルテンの形成 |
足踏み後熟成(約20分) 目的:構造緩和 |
オデ工程
私たちは「オデ」というが研究者は混練という。
何をするのかというと小麦粉に「オデ前作業」で濾した乳化した「ツブシ」を加え均一にグルテンを形成させる工程である。
いかに均一に加水され、グルテン構造(グルテン3次元構造という人もいる)を均一にするかは経験による技術がいって、決して一時に水を加えてはならない。それはグルテンと澱粉が分離してしまい均一にはならないのである。
どうするのかというと少しずつ加水して柔らかさもグルテン構造も均一な生地を作るのである。
だから柔らかになりすぎた。
粉を足す
というのは問題があるわけで「オデ」(混練)というのは攪拌、均一、形成を適度に行う工程で約30分かかります。
生地の出来具合が素麺(製品)の品質やその後の作業性を左右する大事な工程である。
そしてそれは職人の長年の経験や勘による手の感触で判断される。
機械化された事により、より強い攪拌、均一、形成がなされ品質の向上に大いにつながったといえる。
機械化は決して悪いことではなく、かえって機械化することにより良い結果をもたらす場合もある。
手作業ではグルテン構造の均一、形成は不十分である。
それでも職人の熟練の差が素麺の品質に大きく影響を与えるのは間違いない。
提案
私が経験してきたことと勉強したことからの提案です。
その家の作業性とかあるだろうが、ファリノグラフ、エキソテンソグラフといった科学的考察により加水料、加塩量の調整や官能試験による市場性に合わせたことも品質向上のために必要ではなかろうか。
オデ工程 イタギ工程 ほそめ工程 掛け機工程 小引き工程 門干し工程
塩見製麺所 熟成と厄 加水量と塩 褐変現象と防止策