〜相続税の基礎知識 其の壱〜


相続と聞くと悩むのは分割方法。そして税金。人によっては税金のことが一番心配なことかもしれません。しかし現実には相続税を払うのは全体の約5%といわれています。それは相続税には配偶者控除など大きな金額の控除が認められているからです。どのような物に課税され、どのような時は課税されないのか又控除にはどのようなものがるのか説明していきます。


<相続税の対象となるもの>
相続税は、相続や遺贈によって取得した財産に対して相続税が課せられます。一般に「金銭に見積もることができる経済的価値のあるものすべて」とされているので、土地や家はもちろん債権や法律上の根拠のない営業権も含まれてしまいます。

不動産(宅地、田、畑、山林など)、家、工場、商品、家畜(牛、馬など)、骨董品、船、車、預貯金、売掛金、ゴルフ会員権、借地権、永小作権、特許権、著作権 など



<みなし相続財産>
これは通常の相続財産とは違い、被相続人が死亡することによって相続人が受け取ることのできる財産のことです。これらの財産も課税対象となります。

死亡保険金(被相続人が保険料を払っていたもの)、死亡退職金・功労金、定期金の受給権(被相続人が受給していた郵便年金などで、遺族が受給できる契約になっているもの)、生命保険契約の権利(被相続人が保険金を負担していたもので、まだ保険が使用されていないとき) など



<相続前3年以内の贈与>
被相続人が相続する(死亡する)3年以内に贈与された財産についても相続税の課税対象になります。この場合、財産の贈与時の価格を相続財産に加算します。相続時の時価ではありません。ただし、土地、建物に関しては取得価格を加算することになります。


<相続税の対象にならないもの>
相続税といっても何もかもに課税されるわけではありません。いくつかのものは非課税となっています。

弔慰金、墓所、霊廟、仏壇、仏具、香典、国や特定の公益法人に寄付した財産、心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権 など

※弔慰金としては業務上の死亡の場合、普通給与の36ヵ月分、業務外の死亡の場合、普通給与の6ヵ月分まで認められる。これを超える場合は退職金扱いになる。


<基礎控除>
基礎控除とは「どんな場合でも原則としてこれ金額は課税しないよ」という制度です。相続税の場合は「5000万+1000万×法定相続人の人数」となっています。この金額より相続財産のほうが少ない場合は、相続税はかかりません。相続財産がこれ以下の場合は、税務署に対して何もする必要はありません。

例.相続財産:1億 相続人:妻、長男、長女
   基礎控除=5000万+1000万×3=8000万
   課税対象=1億ー8000万=2000万



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