問一.遺言書が二通ある場合はどうすればいいですか? |
答一.新しい遺言書が優先されます このような場合、新しい遺言書の内容から執行していきます。古い遺言書で内容が重なっている部分は、新しい遺言書で古い内容が取り消され、新しく遺言されたと解釈します。 |
問二.お腹に子供がいるのですが、胎児の状態でも相続人になれるのでしょうか? |
答二.胎児でも相続人になれます 相続の場合、胎児でも一人の相続人として扱われます。したがって、夫・妻(妊娠中)の家族で夫が死亡した場合、相続人は妻のみではなく胎児も含まれるのです。このときの相続手続は、基本的には胎児が生まれるまで待ちます。なぜならば、胎児の生死より妻の相続分が変わってくるからです。そうなると遺産分割協議をもう一度行わなくてはいけません。 |
問三.相続放棄した場合、その人はどうなるのでしょうか? |
答三.相続放棄した人は最初からいないものとして扱います 相続放棄をすると、財産も借金も相続しなくなります。そこで相続放棄した人を除いた残りの相続人で、財産や借金の分割を行います。 |
問四.相続が発生したのだけど、どうしても相続人の一人がどこにいるのか分からない。どうすればいいですか? |
答四.行方不明者の代わりに財産管理人を選任して相続手続をします 身近な人が行方不明でなくても、意外な相続人(隠し子等)が出てきて行方が分からないようなことは十分にありえます。その場合、相続人が揃わないからと、ずっと相続手続を行わないのは良くありません。そこで他の相続人が、家庭裁判所に財産管理人選任の請求をします。財産管理人は行方不明の人の代わりに相続手続を行います。 |
問五.相続人の中に未成年の子がいるのですが大丈夫ですか? |
答五.通常は親権者(親、後見人等)が代理で分割協議を行います ただし、相続において親権者と子がそれぞれ相続人となった場合(父・母・子のうち父が死亡した等)は、親権者と子の間で財産の取り合いとなるので、子の代わりに分割協議や相続手続を行う特別代理人が必要になります。親権者が、家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければいけません。 |
問六.配偶者(夫又は妻)と長年別居状態なのですが、相続権はあるのでしょうか? |
答六.配偶者に相続権はあります 相続権の有無については、戸籍を基準に考えます。離婚をせずに別居だけという場合、戸籍上では婚姻関係なので、例え何年別居状態が続いていても、相続権が消滅することはありません。 |
問七.内縁の妻が死亡した場合、内縁の夫は財産を相続できるのでしょうか? |
答七.原則としてはできません 内縁の配偶者には原則として相続権がありません。相続権がなければ、寄与分も認められないので無理というのが現状です。ただし例外があります。一つは死亡した配偶者が遺言を残していて遺贈する旨を記入していた場合、もう一つは死亡した配偶者に相続人がいない場合です。相続人がいない場合は、特別縁故者として相続できる可能性があります。 |
問八.養子になっている場合、相続はどうなるのでしょうか? |
答八.実親、養親の両方の相続人になります 養子縁組が成立すると、養親と養子には親子関係が発生します。だからといって、実親との関係が消滅するわけではありません。つまり養親、実親両方の子になります。そして相続では、養子は実の子と同じだけの相続権を有します。ただし特別養子の場合は、実親との親子関係は消滅します。 |
問九.遺産分割協議のやり直しは出来ないのでしょうか? |
問九.原則は出来ません 基本的に遺産分割協議は、相続人全員の合意によって成立されるものです。それを確認するために、分割協議書では実印を使用します。もし協議から漏れた財産が出てきた場合は、その財産についてだけ別の協議を行います。ただし無効(相続人の一人が参加していなかった、重要な財産を隠していた等)の場合はやり直しができます。 |
問十.相続をもめずに行う方法はあるのでしょうか? |
答十.お互いの立場を考えて交渉することです 相続の場合、どうしても財産を目の前にして「自分はこれだけの財産をもらう権利がある」となり、「あいつは今まで苦労をかけてきたのだから、少ないのは当然だ」など自分中心に考えてしまいがちです。これは人間ならそうなってしまうのは、ある意味仕方ないことだと思います。しかし、一度冷静になって、ここ数年のことではなく、自分は生れてきてから被相続人(が死亡するまでの関わり合い、他の相続人と被相続人との関わり合いをよく思い出して、お互いの話を聞き、譲るべきところは譲るという姿勢で臨むことが必要です。そして何より被相続人に思いをよく考えてください。 |