〜相続人がいない場合〜


相続人がいない!
配偶者(夫又は妻)は3年前に先立たれ、子供も兄弟もいない。または子供がいても相続放棄をしたり、廃除や欠格事由などで相続権を持たない場合は、相続人が不在になってしまいます(相続人の不存在)。そのようなときの相続財産の取り扱いを下にまとめてみました。


相 続 開 始

相続財産管理人の選任
相続財産の利害関係人(相続人、債権を持っている人など)や検察官が家庭裁判所に申立て

相続財産管理人:相続人がいない場合、財産の所有者が決定するまで財産目録の作成、財産の保全等を行う者

第一の公告

・相続財産管理人が選任されると、家庭裁判所は速やかに「相続財産管理人の選任」の公告(官報などで報せる)を行う

第二の公告
(第一の公告をして2ヶ月以内に相続人の存在が明らかにならないとき)

・相続財産管理人は、遅滞なく被相続人(死亡した人)の債権者や受遺者に対して、「一定の期間内に請求の申し出をするように」公告
・期間は2ヶ月以上にしなくてはいけない

第三の公告
(第二の公告をして期間が過ぎても、なお相続人が明らかにならないとき)

・家庭裁判所は、相続財産管理人や検察官の請求によって「相続人があるならば、一定期間内にその権利を主張するように」公告
・期間は6ヶ月以上にしなくてはいけない

特別縁故者への分与
(第三の公告をして期間が過ぎても、なお相続人が明らかにならないとき)

特別縁故者
・被相続人と生計を同じくしていたもの(内縁の妻または夫など)
・被相続人の療養看護に努めたもの(長年にわたって介護をしてくれた人など)
・被相続人と特別の縁故があったもの

特別縁故者は、第三の公告の期間満了後3ヶ月以内に家庭裁判所に請求をます。
家庭裁判所は相当と認めた場合、相続財産の清算後に残存する部分について、全部または一部を特別縁故者に与えます。

国庫へ帰属
(特別縁故者に分与されなかった相続財産)


第一の公告、第二の公告、第三の公告のときに相続人のいることが分かった場合は、決算手続をします。相続財産管理人は、遺産を管理していた間の収支を計算して、相続人に報告します。

※通常、内縁の配偶者が被相続人の遺産を相続できる可能性があるのはこのような場合だけです。もし相続人がいるけど内縁の配偶者に財産を与えたい場合は、遺言書の作成をします。



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