〜継続的サービス取引〜

受けてない サービスそれは わしの銭
心の俳句


継続的サービス取引は、品物を買うというのではなく、長期的なサービスを受ける契約のことです。悪徳商法ではないのですが、よく解約等でトラブルになっています。


<法律で定められた継続的サービス>(特定商取引法41条)

商品の種類 内   容 契約期間 契約金額
エステティックサロン 全身エステ、美顔エステ、美肌ケア、脱毛、メンズエステ 等 1ヶ月を超えるもの 5万円を超えるもの
語学教室 英会話教室、中国語教室、韓国語教室、イタリア語教室 等 2ヶ月を超えるもの
家庭教師 通信指導(インターネットや電話を使ったもの)も含まれる
※幼稚園受験や小学校受験のためのものは含まれない
学習塾 中学・高校・大学・各種学校の入試対策
小学生・中学生・高校生の学力アップのための塾
※幼稚園受験や小学校受験、浪人生のみのための塾は含まれない
結婚相手紹介サービス 結婚相談所 等
パソコン教室 パソコン講座(初級) 等



<解約方法>
@クーリングオフ(特定商取引法48条)
継続的サービス取引の場合、クーリングオフは書面交付の日から8日です。8日を過ぎている場合でも、書面をもらっていない、書面に不備があるような場合は、いつまででもクーリングオフができます。
通常、クーリングオフはチラシ等を見て自ら契約するという意志をもって相手事業所に行き、契約した場合は認められないことがありますが、継続的サービスはこのような場合でもクーリングオフが可能です。

Aクーリングオフの期間(8日)を過ぎている場合(中途解約)
継続的サービス取引の場合、中途解約についても特定商取引法49条でできることが認められ、解約金(損害金)も特定商取引法により決められています。

商品の種類 サービス開始前 サービス開始後
エステティックサロン 20,000円 20,000円
契約残額(契約金額−サービス提供分の金額)の10%
いずれかの低い額
語学教室 15,000円 50,000円
契約残額(契約金額−サービス提供分の金額)の20%
いずれかの低い額
家庭教師 20,000円 50,000円
授業料1か月分相当
いずれかの低い額
学習塾 11.000円 20,000円
授業料1か月分相当
いずれかの低い額
結婚相手紹介サービス 30,000円 20,000円
契約残額(契約金額ーサービス提供分の金額)の20%
いずれかの低い額
パソコン教室 15.000円 50,000円
契約残額(契約金額ーサービス提供分の金額)の20%
いずれかの低い額

サービス開始後の解約金の計算例
エステの申込み(1,000,000円)をH15年4月1日にした場合
・4月6日に解約をする場合
 クーリングオフ期間内なので、例えサービスを受けていても無条件に解約可能。
 サービスの代金を支払う必要もないので、
 返還金額=1,000,000円(契約金額)となります。

・4月10日(サービス開始前)に解約する場合
 クーリングオフの期間を経過しているので、エステの場合、解約金20,000円となります。
 返還金額=1,000,000円(契約金額)−20,000円(解約金)=980,000円

・6月1日(サービス2回済:40,000円)に解約をする場合
 契約残額=1,000,000円−40.000円=960,000円
 解約金=960,000円×0.1=96,000円
 ∴96,000円>20,000円  
 この場合の解約金は20,000円となり、
 返還金額=960,000円(契約残額)−20,000(解約金)=940,000円


<商品に関して>
これらの契約の場合、契約と同時に商品の購入することがあります。例えばエステの場合は化粧品、語学教室の場合は教材、パソコン教室の場合はパソコン等です。大抵の場合、これらの商品の金額も高額になっています。また商品には「関連商品」と「推奨商品」の2種類があります。関連商品はクーリングオフ、中途解約ができますが、推奨商品はクーリングオフ、中途解約の対象外です。

関連商品 サービスを受けるときに必ず購入する必要があるとされている商品で、クーリングオフの対象にもなります。
(政令で指定されてあるもの)
動物及び植物の加工品で人が摂取するもの(医薬印を除く)、化粧品、石鹸(医薬品を除く)、浴用剤、下着、美顔器などの美容機器、書籍、ビデオ、カセット、CD、レーザーディスク、FAX、テレビ電話、パソコン、CD-ROM、指輪等の装身具、真珠 等
推奨商品 単に業者が薦めてくるだけの商品で、これはクーリングオフの対象外です。


<解約方法>
@クーリングオフ(特定商取引法48条2項)
継続的サービス取引の関連商品はクーリングオフ可能です。クーリングオフは書面交付の日から8日です。8日を過ぎている場合でも、書面をもらっていない、書面に不備があるような場合は、いつまででもクーリングオフができます。

※商品が未使用であれば問題ないのですが、使用してしまった場合、商品価値が著しく減少してしまうような物は認められません。また、少し使ったような物で価値の減少が僅かであれば(CD、書籍等)クーリングオフの可能性があります。

Aクーリングオフの期間(8日)を過ぎている場合(中途解約)
特定商取引法49条6項を根拠とした解約ができます。ただし、解約金を請求される可能性が高いです。その場合の金額は、商品の使用状態によって変わってきますが、上限が設けられています。

商品を返還する場合 商品の通常の使用料に相当する額
商品の価格下落分(販売価格−返品時の価格)
いずれか高い金額
商品を返還しない(できない)場合 商品の販売価格に相当する額
まだ商品を受け取ってない場合
(注文してるだけのような場合)
契約に必要な書面作成代、印紙税等の額



<ポイント>
・特約がある場合(中途解約は認めない、解除した場合すでに支払われた料金は返せない、解約手数料は受講料の3か月分等)は、消費者契約法8条により無効となります。したがって、上記の中途解約の場合の金額が上限となります。それ以上は支払う必要はありません。

・やむをえない理由(転勤や長期入院等)が原因で解約する場合は、民法651条2項但書により、損害賠償を払う必要はありません。ただし、既に提供をうけたサービス分と常識的な解約手数料については、負担しなければいけません。

・継続的サービス取引の場合、金額が大きくなりやすく、クレジット契約をしている場合が多くみられます。クーリングオフ、中途解約の手続と同時に、必ず忘れずにクレジット会社に対しても、解約等の旨を書面で通知してください。また、必要とあれば銀行に支払停止の手続をして下さい。クレジット契約についてはコチラ

・結婚相手紹介サービス、パソコン教室については、平成16年1月1日以降の契約について、クーリングオフ、中途解約等が適用されます。



戻る          目次へ          次へ


メール相談・業務依頼へ