〜デート商法(恋人商法)〜

異性から いきなり電話 喜べば
会ったそのあと 借金まみれ

心の短歌


デート商法とは、いきなり覚えのない異性から自宅等に電話があり、親しげに話をして会う約束を取り付けます。会うと「実は仕事で宝石を売っているので見に来ない?」などとビルなどに誘って、高額な宝石や絵画を買わせる悪徳商法です。


<商品としてよく使われるもの>
宝石、アクセサリー、絵画、学習教材、○○の特別会員 等


<狙われやすい人>
学校を出たばかりの社会人(契約についてよく知らない場合が多いので、騙しやすい)


<業者の手口>
〜ある日の自宅にて〜
電話:リーン、リーン(呼び出し音)

  はい、軽ですけど。

業者:ダマシって言いますけど、約太郎君ですか?

 (ダマシ?覚えがないなぁ)そうだけど、どこのダマシさん?

業者:私潟Tギチックのダマシといいます。実は20代の男の人のファッションの意識調査をしてるんだ。約太郎君てどんなファッションに興味ある?

 (明るい娘やなぁ)別にこれといっては無いけど、服は好きだよ。

業者:じゃあ、ちょうどいい。私の会社が今度の日曜に高松でイベントやるから是非来て欲しいんだ。私も約太郎君ともっと話したいし、お願い。

 (この娘はいい感じだな。うまくいけば…)いいよ。来週の日曜にイベントに行くよ。

〜日曜日、イベント会場で〜

業者:来てくれてありがとう。ところで今度、会社が宝石販売を始めることにしたんだ。ちょっと見てくれない?

 (見るぐらいなら)いいよ。どれ?

業者:これよ。いい感じでしょ。実は今月、あと3つこれを売らなければいけないの。約太郎君、よかったら買ってくれない?80万ぐらいするんだけど。

 80万なんて無理だよ。いらない。

業者:大丈夫。クレジットを組んだら月1万で支払いができるから。それにこれ約太郎君がつけたらかっこいいと思うんだ。

 (月1万ならなんとか払えるか。ダマシさんもかっこいいって言ってるし)分かった、買うよ。


(ポイント)
・異性が電話をしてきて、親しそうに話した後、会う約束を取る。その際に○○のイベントがあるからと言って、誘ってくることもある
・最近では出会い系などを使ってくる業者もある
・会ってしばらく話をした後、自分の仕事について話し始める(商品のサンプルやカタログを持っていることが多い)
・契約をした後は連絡が取れなくなる
・逆に他の商品を薦めてくる(2次被害)


<解約方法>
@クーリングオフ(特定商取引法9条)
デート商法の場合、クーリングオフは書面交付の日から8日です。8日を過ぎている場合でも、書面をもらっていない、書面に不備があるような場合は、いつまででもクーリングオフができます。

Aクーリングオフの期間(8日)が過ぎている場合
・消費者契約法4条3項2号の「監禁」を根拠としての解約(取り消し)
 「帰りたい」と言ったにも関わらず、契約するまで返してもらえなかった場合(直接言わなくても間接的な表現「今から酔うがある」「要らない」と言ったり、身振りなどでも可)

・民法4条2項の「未成年者」を根拠としての解約(取り消し)
 契約者が未成年の場合(ただし、契約時に成年と偽っている場合は不可)

・民法90条の「公序良俗違反」を根拠としての解約(無効)
 商品は二束三文の価値しかないのに、代金が不当に高額であるような場合
 最初から高額な商品を買わすことを目的で接近、契約させたような場合

・民法96条の「詐欺・強迫」を根拠としての解約(取り消し)
 連れて行かれた場所で「契約するまで返さない」などと強迫された場合

・特定商取引法41条による中途解約
 商品が、エステ、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの場合は、中途解約ができます。詳しくはコチラ

☆注意!!☆
相手の店に自分の意思で商品を買いに行った場合は、クーリングオフが認められません(ただし契約書にクーリングオフができると記載されてあれば可能)。



<ポイント>
・デート商法の場合、2次被害として別のものを売りつけてくる場合があります。書面できっぱりと断ってください。

・商品を購入する際にクレジット契約をしてませんか?デート商法の場合はクレジット契約をしている場合が多く見られます。もし契約をしているのであれば、クレジット会社に対して支払停止の抗弁権を主張することを忘れないで下さい!クレジット契約についてはコチラ


○消費者契約法は、追認(うそや勘違いが分かったとき又は監禁や不退去から逃れた日)のときから6ヶ月、契約をしてから5年で消滅時効となり、解約できなくなります。

○民法は、追認から5年、契約をしてから20年で消滅時効になります。しかし民法は、詐欺や錯誤があったことを消費者が立証しなければいけないため、解約までの時間がかかり、内容によっては民法の適用が難しい場合もあります。



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