死後の世界

 41      年長者の役割
 
夕方何時もの散歩コースを歩いているとほぼ同じ場所で父からのメッセージが伝わってきた。その日は冬にしては風も無く夕暮れ時の瀬戸内海は静寂で空気が澄み渡り霊界からの通信を受け取るには絶好の環境であった。私は歩いたり止まったりしながら通信を受け取るが決まった形というものはない。相手と一緒に散歩しているような感じであり、触れ合いを楽しむことにしている。唯、誰か人に出会ったりしたときは中断してしまうがそういうことはめったにない。あちら側は他の人間が大勢いるような場所ではこちらにコンタクトしてくることは無い。状況を配慮しているのだろうと思う。
 
父から
お前が若い時の事を思い出してみるとよい。色々と自分中心に考えて好きなことをしてきただろう。実際には周囲の寛容さ故にそれが許されてきたというわけだが、むろんその時は自分はその事に気付いていなかっただろう。
 
若者の成長の為には伸び伸びと自己を表現できる場が必要であり、失敗してはそれを教訓にして立ち上がるという経験を積むことが必要だ。経験を積んだ年長者からすればそれは危なっかしくて見ていられないという場合もあるだろう。アドバイスが必要な事もあれば、あえて目をつぶっていたほうがいい場合もあるだろう。しかし何時の日か若者は親や前任者を越えて成長していくものだ。
 
若いときには肉体の活動の方が精神的活動を上回っているので何かの衝動を押さえきれずに突っ走ってしまうこともある。歳をとって肉体の活動が低下すれば自然に精神のほうが主導権を持つようになり、もはや衝動に駆られるようなことはなくなる。そして若い時より広い視野から物事を見られるようになるものだ。しかし何かを変えよう、新しいものを創造しようというエネルギーは無くなってくる。新しいものを創造するには若者のエネルギーが必要だ。若者と年長者、それぞれが社会の中で違う役割を果たすようになっている。
 
昔から人はそういう営みを続けてきたわけだが、何時の時代にも年長者には若者に対して節度のある寛容さというものが求められていると思う。若者が自分の本領を発揮できるように陰から支えてやるのが年長者の役割であろう。
 
 
更新日時:
2012/01/31
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Last updated: 2012/3/26