死後の世界

 11      この世を終わる前に
数年前から親族の高齢者が次々と病気や認知症などで人生の最終局面に向かう姿を何人も見てきました。彼らはいずれも家族の手を煩わせ、一旦は家族にとってこれ以上面倒を見るのはもう限界だと感じさせるレベルまで状況は悪化しています。しかしいずれのケースも予期しなかった事が起きて事態は劇的な変化を見ています。それらは何処からともなく救いの手が差し伸べられて収まるべきところに収まっています。世話をする人達にとっては救われたと感じられるものなのです。
 
認知症で家族の重荷になっていた老人が急に発熱して倒れ、熱が引いた後で空きが無かったはずの老人施設から空きが出た旨連絡が入り即座に入所する事ができた。そして入所後は今までとは別人のように性格が温和になり快適に施設で毎日を過ごしているというケース。
 
それからこれもかなりの認知症で問題行動が多くもう家庭内で世話をするのは限界なので老人施設に入所させた所、そこでも持て余すようになり家族は思案に暮れていたところ本人が突然の大怪我で入院、歩けなくなりほぼ寝たきりの入院生活をしているうちに今までの険しい性格は影を潜め穏やかな顔つきに変わってしまった。そして退院と同時に他の老人施設に空きがあることが分かりそこに入所、今では問題を起こす事も無く日々穏やかに暮らしている。
 
もう一つは2人住まいの老夫婦で夫は傍から見れば最近心身の衰えが目立ってきたにもかかわらず長年の自分の生活のペースを変えようとしない。自分の身の回りのことが出来なくなり妻や周囲の人の力を借りながら生活するようになった。それでも彼は周囲のアドバイスは聞き入れず医療機関で精密検査も受けることもせず介護サービスを受ける事にも消極的で頑固に今までのペースを変えようとはしなかった。もう年老いた妻による介護も限界に達し、このまま行けば共倒れになるしかないと感じさせるものであった。
そんな矢先ある朝彼はついにベッドから起き上がれなくなり、病院に運び込まれることになる。色々調べた結果様々な病気が重なり合っていることがわかり入院生活が始まる。老妻はそれにより今までの彼女の能力の限界を超えた介護から解放された。病気が発見されて入院するという結果だけ見るとそれは不幸な事と捉えられるかもしれないがそれは状況が一つ先の段階に進んだ、一つの問題が解決したと言える事である。
 
以上の老人達の状態を観察していると環境が変わった後いずれもよく眠るようになり、そうなると表情が以前と変わってきたのです。柔和な顔つきになり、子供のようなあどけなさを見せる事もあります。私は老人の問題で悩んでいる親類の家の仏壇を何度か拝んだ事がありますがその時そこに掛けられている先祖の写真や位牌がよく語りかけてきます。「おまえの力を貸しておくれ」とか「あれは(その人の子で今病気)子供の時甘えん坊だったからね、今まで一杯好きなことしてきたからもうこの辺でいいよ」というふうに意思を伝えてきます。以前私の母が深夜家で倒れた時は家の仏壇から一筋の光が母のほうに向けて差し込んできました。その直後母は動転した気持ちも治まり朝まで静かに眠る事が出来ました。
 
これらの現象を見ると人間が人生の終わりに近づく時、先祖の人たちは見守ってくれていて事ある時には救いの手を差し伸べてくれるのだろうと思います。そしてこれから赴く死という過程を問題なくクリアーできるように導いてくれているのでしょう。眠っている間に魂は先祖や守護霊の指導を受けているに違いありません。一生を振り返ってみて今後どういう心構えが必要なのかとか色々教育をされているのでしょう。「姑が私にありがとうと言ってくれた。こんな事は今まで何十年も一緒に暮らしてきて初めてよ」とは今まで一緒に暮らして世話をしてきたお嫁さんの言葉です。また頑固に自分のペースに固執してきた老人からも「ありがとう、ありがとう」という言葉が自然に出るようになってきました。いずれもよく眠るようになってからです。守護霊や先祖の人たちはその人間がこの世を去る時期も分かっているでしょうからそれに向けて色々と準備をしてくれているのでしょう。死ということは残された家族にとっては悲しい別れと感じるものかもしれませんが当人は今生での重荷から開放され喜ばしいことなのです。この世は修行の場であってリスクもあり大変な世界なのです。霊界では親しい人達との再開も果たせるし、先に行って待っていたペットが大歓迎してくれるのだそうです。誰よりも先に飛びついてくるので他の人たちが近づけないほどだとか。
 
人生の最終局面にある人たちの心の動きについて弘法大師よりメッセージを頂いたので2月17日の神仏の声に掲載しました。
 
 
 
更新日時:
2008/02/18
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Last updated: 2012/3/26