高校時代に父にスズキ125S10を買って貰い島中を走り回っていたがこの頃の体験がもとでオートバイとの縁が出来た。それは単気筒2マフラーというユニークなエンジンであった。その後の都会暮らしでバイクから離れていたが島に帰って数年後バイクへの郷愁がつのり手にしたバイクがヤマハDT200Rであった。当時私はTY250(トライアル用)を買うつもりで注文していたがあまりに納車が遅いので痺れを切らしてDTに変更してしまった。TYはお世辞にも格好が良いバイクではなくTYを注文後もDTの精悍なスタイルにはずっと未練を持っていたのだ。DTは当時としてはオフロードバイクの中では軽量、ハイパワー、強靭な足回りを持ち公道を走るモトクロッサーといわれていた。林道、MXコース、ツーリングと存分に楽しんだ。こいつの特徴はエンジンがパワーバンドに入ると別人のようになることだった。低速ではボトボトという冴えないエンジン音がアクセルを開けるとガオーンという音になり地面を蹴って猛ダッシュする。仕事のストレス解消には最高で病みつきになったものだ。息子がこれに乗って転倒して膝の靭帯を伸ばしてしまったこともあったが最後は保安部品を外してもっぱらコースなどを走っていた。最後は息子の友達に譲ったがDTは最も印象深いバイクであった。
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