金・銀・ブロンズ像、及びアート作品の修復やメンテナンスを行っております。

彫刻家と鋳造者の思いが奏でるハーモニーが
作品を生む!
藤森 汎 氏(彫刻家・三軌会彫刻部長)
板橋文化情報誌「ふれあい」第77号より

編集部

彫刻を造り始めたきっかけは何でしょうか?

藤森氏

私はもともとモノを作ることが好きで、金属工芸家の小川正波先生に弟子入りし、その先生の関係で大学卒業後フランスの美術大学に留学したのです。 フランスでは、彫刻家のデッサンやジャコメッティ等有名な作家のアトリエを訪ねたりと大変貴重な体験が出来ました。

編集部

大塚美術さんとは、どのようなきっかけでであったのですか?

藤森氏

諏訪の親戚に大和作内という彫刻家がおり、大塚裕康さんのお父様とは大変親しく、フランスから帰国した後、紹介していただきました。

大塚

鋳造業を始めてから、私で三代目になります。 藤森先生とは父の代からのお付き合いです。

編集部

彫刻家と鋳造者の役割についてお話して頂きたいと思います。

藤森氏

彫刻は絵画と違って、作品を残すために、ブロンズに鋳造します。 ブロンズを鋳込むには高い鋳造技術が必要です。 彫刻家は通例そこまでの技術を持っていませんので、粘土で造形したものを石膏に写し、それから先は大塚さんの仕事になります。

編集部

やはり良い作品を造るには、両者のコンビネーションが大切なのでしょうね。

大塚

彫刻家は鋳造の知識を、鋳造家は彫刻の知識がなくてはなりません。

彫刻家の気持ちをくみ取って、その人のタッチにあった作品に仕上げるのが鋳造家だと思います。

ブロンズ像になったとき、作品の美しさが引き立つことを最も大切に考えています。

藤森氏

石膏の時よりもブロンズ像になった時の方が、重量感や質量感が出て良い作品になります。

音楽に例えると彫刻家は作曲家で鋳造者は演奏家と言えるでしょう。

違う視点を持つ両者がうまく重なり合うことによって、素晴らしい作品が完成するのです。

85x46cm

ブロンズ 日本彫刻会会員
間島博徳
日本彫刻会会員
廣川政和
42x20cm ブロンズ
51x19cm ブロンズ
松浦 万象 氏

1926年 東京都生まれ。

1976年 ミラノ在住、マリボル都市設計に係わる彫刻を制作設置。

1979年 第4回国際彫刻ビエンナーレ・ダンテスカに出品。特別賞を受ける。

1985年 第1回バチカン美術国際展に選出される。

1986年 世田谷美術館に作品所蔵。

1989年 浜松市立美術館に作品所蔵。

1988年 29x110x29cm ブロンズ

球体から突き出た棒状のもの

球体の、今にも割れて腐敗しそうな
恐ろしい、
ちょうど、地球の汚染そのもの

それでいて、美しい。全ての作品に
格調高い気品がある。

この作家の持つ特徴であろう。

故 阿部展也夫人 阿部 とし子

「空間の凝縮と展開」

物質は、 球体に結果することがあり、 不定形に流動し拡散することもある。 そこへ意識的に割り込むことはせず、 オートマチックに引き出した、 視覚的な表現と そのバリエーション。

1988年

84x32x23cm

ブロンズ