〜NPO法人一問一答〜


みなさんが疑問に思いそうなことを集めてみました。ご自身の団体と当てはめてみてください。

問一.NPO法人になるためには所轄庁の認証だけではいけないのですか?
答一.認証だけでは認められません
法人格を得るためには登記が必要になります。認証を受けてから2週間以内に登記所に法人の設立登記を行ってください。
問二.NPO法人の中に「内閣府認証」と書いてあるのを見かけますが、これは普通のNPO法人とどこが違うのですか?
答二.法人の事務所の設置する場所によって内閣府認証となる場合があります
通常、NPO法人は主な事務所が所在する都道府県知事の認証を受けます。ところが、大きな団体で事務所が複数あり(設置する予定の場合も)、2つ以上の都道府県にまたがる場合、それぞれの県に認証手続をしなければいけません。このような手間を省くために、2つ以上の都道府県に事務所がまたがってある場合、内閣総理大臣(内閣府)を所轄庁として申請・認定を受けた法人を「内閣府認証のNPO法人」といいます。
問三.特定非営利活動法人なのにセミナーを開催して入場料をもらってもいいのですか?
答三.かまいません
特定非営利活動法人=ボランティアというイメージの人は多いと思います。しかし必ずしもそうではありません。会社でもそうですが、法人が生きていくには資金が必要です。NPO法人も同じです。しかもNPO法人だからといって、寄付金や助成金だけで活動できる団体はほとんど無いと思いますし、そのような団体は必ず解散するようになるでしょう。ですからNPO法人でも積極的に活動して資金集めをする必要があるのです。では「非営利」とは一体?これは活動で得た収入(セミナーの入場料、イベントでの売上等)を、設立時に役員名簿で定めた報酬をもらう人や、常勤の人への給料以外に分配してはいけませんよということです。
問四.社員は日本人でなければいけませんか?
答四.日本人でなくても構いません
社員とは総会で議決権を持つ者のことです。NPO法人を設立するときには10人以上いることが必要とされていますが、社員は国籍、成年・未成年は問いません。また法人やボランティア団体でも可能です。
問五.NPO法人の設立はできたけど、なかなか資金の調達ができません。どのような方法がありますか?
答五.会費、寄付金、助成金などがあります
他に本来事業からの対価、非本来事業からの対価、補助金、借入金(銀行からなどの借金)、金利等があります。
問六.寄付金、助成金の申請をしたいのですが、どこに行けば情報を教えてくれますか?
答六.原則として誰も教えてくれません
寄付金、助成金などの情報はその団体でインターネット、メディアなどを利用して調べます。県によっては現在申請を受け付けている寄付金などの情報を教えてくれたり、HPで公開している場合もありますが、必ずしも全ての情報が載っているというわけではありません。常に自分でアンテナを張っておく必要があります。
問七.法人を設立するメンバーの中に会計に詳しい人がいません。人を雇うしか方法は無いのでしょうか?
答七.人を雇う以外にも顧問契約を結ぶ方法があります
NPO法人は毎事業年度ごとに貸借対照表や収支計算書を所轄庁に提出しなくてはいけません。これらを作成するためには日頃から正規の簿記の原則に従って記帳していく必要があります。しかし、設立に際して簿記に詳しい人がいない場合などは困難な場合があります。このような場合は資金的に余裕があれば人を雇う、余裕が無ければ専門家と顧問契約を結ぶ方法があります。当事務所でも会計のみの顧問契約を受け付けています。
問八.定款では解散について必ず記入しなければいけませんが、実際にNPO法人が解散するようなことはあるのでしょうか?
答八.十分あります
現在、NPO法人の数は年々増加しています。その中には資金が潤っている団体もあれば、底をついているような団体もあります。資金がなければ団体は存続できません。また、必要書類を何度催告しても提出しない団体などは、認証の取り消しにより解散する可能性は十分にありえることです。
問九.総会と理事会はどうのような違いがあるのですか?
答九.総会と理事会では対象となるメンバーが違います
総会は正会員全員を対象にして開かれます。理事会は法人の役員が対象です。設立したばかりであれば、設立時に作成した役員名簿のメンバーということになります。
問十.NPO法人設立で必要な書類が揃ったら、すぐに所轄庁に申請しても問題ないですか?
答十.申請する前に所轄庁との事前の打ち合せをお勧めします
書類が揃ったら、すぐにでも申請をしたいと思うのは当然のこととは思いますが、その前に認可する所轄庁の担当の方と、書類作成の疑問点、事業内容の確認等の打ち合せをするべきです。もし何もせずに提出した場合、後で何度も所轄庁に足を運ぶ結果になり、結局無駄労力と時間を使うことになるからです。ちなみに通常は2、3回は打ち合わせをします。
問十壱.NPO法人を設立して介護事業を始めたいと思っています。どのような手続になるのでしょうか?
答十壱.NPO法人設立→介護事業の申請となります
介護事業を行うのであれば、介護保険法に基づく介護事業の申請を行わなければいけないのですが、その要件として法人であることがあります。ですから、NPO法人設立の申請と同時にはできません。まずはきちっとNPO法人ができてから、介護事業の申請となります。またサービスの種類ごとに厚生省令の定めている人員や設備の要件を満たしていることも必要になってきます。
またこの他にもNPO法人としてやる事業で許認可等が必要になってくるものもあると思いますが、その場合はNPO法人設立とは別で必ず許認可を取ってから活動してください。
問十弐.NPO法人でも税金を納めるのでしょうか?
答十弐.納めます
非営利活動だからという理由で税金を納めなくていいというものではありません。NPO法人の場合でも、法人税、所得税、都道府県税等を納めなくてはいけません。ただし、地方税については県により減免措置が取られています。これを受ける場合にも、届出が必要です。詳しくは税務署や税理士等の専門家にご相談されることをお奨めします。
問十参.NPO法人には必ず有償のスタッフを雇わなければいけないのでしょうか?
答十参.無理に雇う必要はありません
有償のスタッフの雇用が設立の要件になっているわけではありません。ですから、有償のスタッフがいなくても問題ありません。しかし、常時活動に携わってもらうためには、やはりある程度の給料を支払わなければ、人材確保が困難化と思います。
問十四.「行政と協同」とはどういうことですか?
答十四.行政とNPO法人が協力して行動することです
例えば福祉セミナーを行うとします。通常でしたら、会場の準備、広報等全てをNPO法人で行わなければいけません。しかし、市町村等と協同して行えば、会場や広報は市町村が準備、NPO法人はセミナーの運営だけに集中して行うことができます。また、協同は行政とやるだけではありません。企業によっては、協同して一つの企画を行ってくれる場合もあります。
問十五.NPO法人を設立してから、人に知ってもらうにはどうすればいいでしょうか?
答十五.イベント、セミナー開催等があります
せっかく設立したNPO法人でも、人に知ってもらわないと結局は独りよがりの団体になってしまいます。ですから必ず広報活動は行ってください。イベント、セミナー、マスコミへのアピール、ホームページの作成等。ここに何をしている団体があるのかを知ってもらうことが重要です。
問十六.NPO法人を設立した後、うまく運営していくコツはありますか?
答十六.設立当初の目的を見失わないこです
NPO法人を長年運営していくと、どうしても設立当初の目的を見失って結果的に目的とは違ったことにばかり力を入れているような場合があります。また、人の入れ替えが起きれば当然新しい意見が出てきます。他のことに力を入れる、新しい意見が出る、これらのことは悪いことではありません。しかし、自分達の法人は何をするために設立したのかしっかりと意思統一をしていないといずればバラバラになる可能性もあります。そのためにも最低3年に1度は、事業の見直しを行うことをお勧めします。



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