〜点検商法〜
点検商法は、業者が自宅に訪問してきて、水道などを点検、その結果これは良くないとして関連商品(浄水器)などを売りつける悪徳商法です。
<商品としてよく使われるもの>
消火器、ガス警報機、換気扇、浄水器、耐震工事 等
<狙われやすい人>
主婦、高齢者(日中に尋ねてくることが多いので、在宅している人)
<業者の手口>
〜ある日の午後〜
ピンポーン、ピンポーン
はーい、どなたでしょうか?
業者:私、市の防災課から依頼されてお宅をお伺いしていますサギチック建設会社のダマシといいます。実は今、市のほうで住宅の耐震性の点検をしています。点検は無料ですぐに済みますので、協力していただけませんか。
(あら、親切ね)そういうことでしたら、どうぞ。お願いします。
〜床下を覗いて〜
業者:これはいけない!この構造では市が定めた耐震基準を満たしていないため、いざ強い地震があれば倒壊する恐れがある。今でしたら市から補助金ができるので、通常よりも割安で工事ができますが?
(倒壊なんて危険ね)それでどれくらいの期間で、おいくらなの?
業者:そうですね、床下の支柱に金属の金具を取り付けて補強する工事ですので150万円ですね。ただ、先ほど申し上げた通り市から補助金が出ますので、お客様負担は100万円になります。工事期間は2日もあれば十分です。早速明日から取り掛かりましょう。
(50万円も安くなるし、工事もすぐ終わる。これで地震の備えができるなら)じゃあ、お願いするわ。
(ポイント)
・消防署、水道局、NTTなどの名前をかたる場合が多い
・点検後、「今○○をしなければいけない」や「ちょうど○○を持っているので」などと言い、契約を迫ってくる
・サービス料金と言いながら、市場と比べてかなりの高額の料金で契約をしてくる
・工事が必要な場合などは、当日又は翌日に工事をして、消費者に考える時間を与えない
<解約方法>
@クーリングオフ(特定商取引法9条)
点検商法の場合、クーリングオフは書面交付の日から8日です。8日を過ぎている場合でも、書面をもらっていない、書面に不備があるような場合は、いつまででもクーリングオフができます。
Aクーリングオフの期間(8日)が過ぎている場合
・消費者契約法4条1項1号の「不実の告知」を根拠として解約(取り消し)
水の質が悪いので浄水器をつけなければ健康に害が出るなどと言われて契約したような場合
・消費者契約法4条3項1号の「不退去」を根拠として解約(取り消し)
契約の場所が消費者の自宅や事業所の場合で、「帰ってくれ」という旨のことを告げていた場合(いらない、結構です、身振りをしたということでも可)
・民法95条の「錯誤」を根拠としての解約(無効)
この家は湿気が溜まっているので換気扇をつけなくてはいけないと言われて契約したのに、実は別に換気扇がなくても大丈夫だったような場合
・民法96条の「詐欺・強迫」を根拠としての解約(取り消し)
業者が全く水には問題がないことを知りながら、汚れていて体の害になると言って騙して契約させたような場合
<ポイント>
・クーリングオフの期間中の解約であれば、例え浄水器などを使用していた状態であっても解約できます。業者が解約金や使用料を求めてきても払う必要はありません。
・仮に換気扇取り付け工事などが行われてしまった場合でも、クーリングオフの場合は業者に対して無償で原状回復の請求をすることができます。また物(消火器、浄水器等)の引き取りも請求できます。
○消費者契約法は、追認(うそや勘違いが分かったとき又は監禁や不退去から逃れた日)のときから6ヶ月、契約をしてから5年で消滅時効となり、解約できなくなります。
○民法は、追認から5年、契約をしてから20年で消滅時効になります。しかし民法は、詐欺や錯誤があったことを消費者が立証しなければいけないため、解約までの時間がかかり、内容によっては民法の適用が難しい場合もあります。 |
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