昨日、義父の七七日を済ませた。いつものように犬も加えて家族のみで。お経を終わり妻の御詠歌が始まると犬が異常に私の手をなめ始めた。そして私の瞼の裏に義父と少し下がって彼の母が現われたのである。背景が明るくて光が射している。2人ともにこやかに微笑んでいて義父が言葉をくれた。
「今日はありがとう。私の子供達は皆仲が良くて争う事も無くとてもうれしく思う。後はおばあちゃんをお願いしますよ」。
そして2人は妻の3つの御詠歌が終わるまで微笑みながら我々を優しく眺めていたのである。そのときの暖かさ、心地よさは例えようもないものでその後1時間くらい余韻に浸ってしまった。それは正に愛の姿であり私達は彼らの愛に包まれ無上の時間を過ごしたのである。2人は御詠歌が終わるとスーッと姿を消した。犬はその間中ずっと私の手をなめ続け、2人が消えると部屋の出口に行き彼らを見送るかのように向こうを眺めていた。義父はもうこの世に降りてきても長い時間滞在する事は出来ないのかもしれない。またその必要もないのだろう。
|