琵琶湖北部の一帯は古い歴史を持つ観音の故郷です。国宝、重要文化財の仏像が一杯ありそのどれもが素晴らしいものです。観光地化されておらず田舎で地元の人々の努力によって古き仏像が守られています。仏像好きの人にとっては興味尽きないところでしょう。黒田観音寺で私は東京から来た子供連れの若夫婦に会いました。奥さんが言うには「主人が行くところは寺ばかり、新婚旅行でさえお寺に行ったんですよ」。若い夫は「私は無性に仏像に惹かれるんです。今日は朝東京を出て東名を走って来ました」。「ほう、若いのに珍しいですね、この黒田観音のことを知っていたのですか」と会話を交わしたことを覚えています。その時私が黒田観音を拝観出来たのは彼が先に電話連絡してくれていたおかげでした。彼ら夫婦は今頃どうしているのか、何時か何処かで再会しそうな予感がします。