もう一度この中に入らなければ帰れない・・・ 私は再びトンネル内へと入っていった。 何だか最初に入った時よりも怖いような気がしてきた。 行きはよいよい、帰りは怖い・・・ 子供の頃に不気味だと感じていた童謡をふと思い出してしまった。 |
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全然憶えていないのだが、内壁を撮影した写真がいくつかあった。 いつ撮ったんだろう。 ゴツゴツした岩のひとつひとつが人の顔のように見えてくる。 |
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当然なのだが、帰りも暗くて先が全然見えない。 懐中電灯の明かりも前方数メートルだけしか照らしてくれない。 何かが付いてきてないだろうな・・・ ふと、そんな不安に駆られて後ろを振り返ってみる。 明かりを向けてみたが、トンネル内には私以外には誰もいなかった。 前も後ろも同じように見えるだけだ。 振り返ってのはいいが、今度は前に向き直るのが怖くなってきた・・・ |
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トンネルの長さが変わる、なんて事はありえないのだが、行きの時よりも長く感じる。 明かりを何度も前方へと向けながら歩いた。 その明かりに照らされて無数の小さな影を作り出していた岩肌が終わり、ようやく出口が見えてきた。 そして、あと数歩でトンネルを抜けようかという時、突然私の右肩に・・・ !!!!!!!!!!!!! 天井から落ちてきた水滴だった。 悲鳴も上げなかった、すぐに水滴だと判ったからだ。 いや、本当は水滴だと思いたかっただけなのかもしれない。 右肩に触れてみると、シットリと濡れている。 今年も水不足が心配されている香川県だというのに、ここのトンネルは何でいつも湿っているんだろう。 |
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トンネルを抜けても、まだ明るさは戻ってこなかった。 振り返って、入り口をもう一枚。 ・・・相変わらず不気味さ全開だ。 こんなとこによく入っていけたものだ。 |