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嗅覚障害・味覚障害 の症例 平成21年4月から治療を行い、ほぼ完治しました嗅覚障害に伴う味覚障害の患者さんの治療について記します。あきらめることなく、治療を始めませんか。最大限ご協力いたします。 病院の治療と同時進行で鍼灸治療は可能です。なるだけ早く正常な感覚が戻るようお過ごしください。 症状・経過は下記をご参照ください。 当時77歳 女性で、平成17年2月にインフルエンザに罹患。 すぐ病院にて治療の結果、インフルエンザの症状は改善したが、3月に入り匂いがしないことと、味がしないことに気づく。 インフルエンザ罹患時には、「色のついた鼻水が出ていた」とのことです。 この時に、鼻粘膜の嗅細胞が炎症により本来の機能がなくなったようです。 耳鼻科にて3〜4ヶ月治療したが、症状の変化がなく、知人より別の病院を勧められ、転院して治療。 ここではアリナミンテストをしたが、「全くニンニクのにおいはしなかった」とのことです。 (呼気に放出されるニンニクのにおいがしないということは、嗅細胞が機能していないか、 嗅神経が機能していない。若しくは、これらの連携がうまくいっていない。脳自体が機能していないかであるが、これは除外してもよさそうでした) 3ヶ月ほど治療したがここでも変化なく、自宅から遠いということもあり、自宅近くの病院へ転院。 そこでしばらく治療したが変化なく、病院側から「あきらめたほうが…」と言われ、別の病院へ。 3〜4ヶ月治療したが匂いがもどることはなく、あきらめた訳ではないが、だんだんと病院から足が遠のいていった。 平成20年2月に、タバコの臭いが かすか にしたので最初の病院へ行き、治療したい旨を伝え、治療を再開。 当鍼療室へは平成21年3月に、腰痛の治療にみえる。 (この時、耳鼻科治療 1年経っていた) 3回目の治療時点で腰の痛みは軽減し、世間話の中で、「匂いがしない、味がしない」との話になり、 「何を食べても芝を食べているようで、食欲がわかず、全く食べたくない」 「ガスの匂いがしないので、ガスレンジを使うのが怖い」 「味付けができず、家族に大変迷惑をかけている」 「鍋を火にかけたままで何度も焦がしてしまい、危うく火事になりそうになった」 「何が苦しいって、味がしないのが一番苦しい」 以上が嗅覚障害・味覚障害の症状、及び苦痛の訴えです。 「変化が出るかどうかの約束はできないが、治療してみますか？」との問いかけに、 「この1年耳鼻科へ通ったが全く変化ないし、匂わなくてもともと。治ったら儲けもので、 やってみます」との返事。 4月より治療を開始し、 9回目（5月19日）に見えたとき「昨夜、かすかにニンニクの匂いがしました」と。 （フルーツの味がする飴玉を口に入れても、味はわからず、ただ甘いだけ） 13回目（5月28日）には「昨夜レモンの味がした」治療後に「桃の味がする」と。 14回目（5月30日）「キュウリ、みそ、わかめ、うめがわかった」と。 6月3日 「玉ねぎ」 6月5日 「線香」 6月6日 「ハイター｣ 6月9日 「焼畑、タバコ」 6月30日 「車中の臭い、焼きサバ」 7月6日 「玉ねぎをむいたら涙が出た」 7月 「餃子、しょうが」 8月 「犬の臭い、ラベンダー、シャンプー、バナナの腐った臭い」 12月 「かすかな線香の残り香」 平成22年になり、「娘の家に入ったとき、犬を飼っている臭いがした」 4月には、「お灸のときの線香の匂いがすぐにわかります」 今では家に帰ると、「においで、嫁の作った今夜の夕ご飯のおかずがわかります」 以上のように、1年後にはほとんどのもにが判別できるようになりました。 本人曰く、「80％まできています。おいしく食べられ1年前がうそのよう」とのことです。 最初はどうなるか予測はつきませんでしたが、1年後にはほぼ喜んでもらえる結果となっていました。 治療開始2ヶ月後には、味がわかってゆく変化を、とてもうれしそうに話してくれていました。 味覚障害には亜鉛不足が原因のものがあるようですが、鼻の炎症により鼻粘膜にある嗅細胞が破壊され、匂いがわからないことによる味覚障害も多数存在するように思います。 全ての嗅覚障害・味覚障害の方々の改善はありえないと思いますが、その中の何％かは改善の余地があるのではないかと思います。
重ねて書きます、嗅覚障害・味覚障害の全ての方々に有効ではないはずです。が、何人かには有効ではないかと思います。 最後に付け加えておきますが「お灸の治療を始めてからは、耳鼻科には一度も通っていません」と言うことですから、薬剤が効いての改善では無い ように思います。 何人の方がここを見て頂けるかはわかりませんが、その中の一人のお役に立てるのであれば、うれしい限りです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 追伸：上記の改善された患者さんが平成28年2月19日にお見えになり、「匂いわかります。家の中に入って料理の匂いがして、今晩のおかずがちゃんとわかります」と話されて帰られました。匂いが改善されてから6年たちますが、普通に戻った状態が続いている様子でした。 2016年（平成28年）3月 上記3行追加 |
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