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素麺記 04,4月

4月29日
天気は良く、温度も高く、乾燥していて言うことなどないような天気なんだが…
素麺は白くあがる。
が、乾燥しすぎているのだ。
加湿しながら素麺を延ばして(門干し工程の箸分け作業)も管の上の方が乾くし、外に出してハタ上げして「上箸」「下箸」を入れる間に乾いて切れてしまう程である。
そのまま外に置いておこうものなら、すぐに切れて落ちてしまうし、素麺もざらざらになってしまい、良くない。
気を付けて素麺が曲がらないようにざらつかないように、乾燥室に取り込んでもどしながらゆっくりゆっくり乾燥しなければいいものが出来ない。
手間と時間がかかるがしようがない。
4月はずっとこんな日が続いている。

結構ストレスになる。
梅雨のような天気も困りもので、それと比べたらよしとするべきか。

明日は2ヶ月に一度の病院通い。
少しずつホルモンの分泌も増えて、コレステロールも減っているようだ。
健康であることが幸せ
昼からは歯医者に行く。
麻酔を掛けて歯石を取るそうな。
そう「歯周病」になっており、少しでも歯を長持ちさせるために歯茎の中の方まで磨くのだそうです。
左右、上下、計4回に分けてやるそうです。
どうって事はないそうです。
4月27日
メールが入っていまして、「素麺と極細麺とは一束にどれ位の本数が入っているのですか?」というものでした。
素麺組合では、
32番線以上(約3cmの中に)で320本以上(/50g)とか「JAS規格・表示法による規格」を書き、
私は以下のように製造していますというように返事をいたしました。
素麺  34・5番線程度で370本程度(/50g)
極細麺 40番線以上で500本程度(/50g)
注文生産で太口素麺(20番線程度)

産地によっては本数を表示している所もあり、パンフレットやHPに記載することも必要なのかなあと思われました。
パンフレットについてはお金がかかることもあり、考えなくてはいけませんが、HPは記載した方がよいのかもしれません。
小豆島では見たこともなかったので気にしていなかったのですが、質問されて考えさせられました。
差別化を図る上でも記載するべきでしょうね。

自分の至らない所を気づかせていただく。
ありがたいことです。
4月26日
塩を多くする(損傷澱粉と同じか?)などと書きましたが、つい滑ってしまいました。
塩は収れん性があり、グルテンを引き締めるので、デが来るのが遅くなり、また延ばす時に”ビン”とした状態になるので、箸分けしやすいということが考えられる。
加水量を多くすることで、「デ」の加減をしているわけである。
以上追加の考察でした。
4月24日
素麺を製造するには、小麦粉に塩水(冬季には5.5%程度の塩)と乳化したツブシを混ぜてオデる(混練)のだが、加水量は50%強である。
なぜこのような話をするのかというと、先日、同業者と話していて話題に出たので紹介したいと思ったのです。
冬季に製造していて、掛け機工程のかけ始めのハタの一台が伸びず切れることが良くあるがどのようにすればいいのかという話であった。
彼の言うのには「塩を多く入れ、水も多くして柔らかくすること。さらに自動巻(小撚り)の一番上を綺麗に端まで巻いて終わるように加減をして巻くこと。巻いた一番上は乾くので「霧吹き」で霧を吹き、ビニールで覆って乾燥しないようにする。」
そうするとかけ始めも切れずに伸びるし、塩を多くすることで加水量を増やしてもべたべたしないというのである。
どうだろう、参考になっただろうか。
塩を多くするということは麺の生地を締め、食感を良くし、茹で上げを早くもするのである。
水を多くするということは麺の生地を柔らかくし、各工程で機械による強い力でも生地を傷めず、より強力なグルテンマトリックスを形成し、なおかつ「熟成時間」を短縮もするし、麺の表面もつるっとさせて、見た目も綺麗で良いことばかりなのである。
そして先に書いたように切れずにスッと伸びるというのである。

素麺屋さんはきっと思うだろう。
「水を多くしたら、べたべたして引っ付いて作業性が悪くなる。」と。
しかし、彼は塩を多くするとこのべたべたもそんなにしないというのである。

こういう事が考えられないだろうか。
小麦粉の損傷澱粉が多い粉(マルトース価で表される。)は加水量を多くしてもサラサラであること。
つまり正常な澱粉粒子はそれほど水分を吸収しないが、製粉(一番粉から6番粉位まである。もちろん後ほど澱粉は損傷しやすい。)する時に損傷した澱粉が水分を吸い取っているので、加水量を多くしてもサラサラするのである。
このような現象が塩を多くする(損傷澱粉の現象と同じか?)事によって起きていると考えられないだろうか。
今後の試験研究で明らかにされるべき重要な事象であると考えられる。

理屈はどうあれ、実際に仕事をして、これでうまくいっているのである。
もちろん、製造業者の建物の構造、作業性、温度管理等諸々の条件が加味されて、加水量、塩の量が決定されることとなる。
お悩みの製造業者は多数おられることと思います。
少しは参考になったことと思います。
ただし、詳細については試験研究が大事であることを強く言っておきます。
これは個人では出来ません。
予算を組んで、研究機関と共に長く研究していく必要があることを記しておきます。
4月21日
以前にかみさんの眼鏡について書いたのを覚えているだろうか。

家内が「眼鏡今度縁の丸いのを買い替えようかなあ。」と申しますので
「似合うんちゃうん。」「ちょっとかわいなるんちゃうん。」と申しますと、
確かに”ふっと”うれしそうな顔をしました。
そして「わかっとる。田舎のおばちゃんの顔や。」と申しましたが、
口は、たしかにそう申しましたが、顔はそうではありませんでした。
実に良い事をいたしました。
一日一善達成
というあれですわ。
先日の大阪に行ったときのこと、地図を見るのに鞄の中に眼鏡があるから取ってと言いますので、見ますと見た事のない「赤いケース」が…
「これ…」
「買うたん…」
「そうや、ジョンレノンの丸縁眼鏡。♪」

田舎のおばちゃんはすべてを覚えておりまして買うておりましたわ!
「ふうん…」
これ以上は言われへん。
4月20日
息子の所に行ってまずしたのはこのHPがどのように見えているのか確認する事でした。
それは有益な事でした。
私は17インチCRTの画面でページを作り載せているわけですが、息子の所では液晶17インチです。
画面サイズやブラウザによって見え方が違う事を思い知らされました。
スタイルの設定が大事だと息子に教えられました。
全然そんな事やっておりませんでしたし、誰にもページがおかしいと言われなかったものでこれでまっとうに見えているものだとばかりに思っていました。
これから「どうすりゃいいの〜さ、しあ〜んばあし〜♪」(青江みな)…
スタイルの設定、表の設定、…
勉強ばっかりですわ。
奥が深いと言うより間口が広すぎてうろうろする。
勉強して、チェックして、訂正する或いは書き直す。
オオ…なんと恐ろしい事、おぞましい事…ぞっとする。
4月19日
ちょっと大阪の子供の所に遊びに行っていたのでお留守をしていました。
先日検査をした事は書きましたが、そのときの話では当分集荷には来ないだろうという事でした。
私も月曜日までは居ないので、集荷は火曜日以降にしてくれるように言っていたのですが、土曜日には「月曜日に集荷するから」と言ってきました。「おらへんで。」と言うと、「出してくれ取ったら勝手に取っていく。」と言う。
いや勝手に入り込まれたのでは困るし、まだ荷造りもしてへんのでそう言って火曜日以降にしてくれるように言って断りました。
午後10時半頃にスリリングな帰還をしたので、ぐったりとしております。
こちらの方の顛末は「バレーボール記」の方に書きます。
明日は午後から歯医者に行かんとあかんので、午前中に出荷出来るようにしておかねばなりません。
忙しいこっちゃで。
明日必ず、注文をいただいている素麺を発送せなあかん。
遅くなってごめんなさい。
4月15日
午前中素麺の検査がありまして、116箱全部合格いたしました。
最初の一箱二箱空けるなり、「細いなあ。36、7番線あるんと違うか。」と言われました。
規格は32番線以上だからかまわないのです。
今は組合に出荷する事よりも「小売り」することを大事にしたいと思っているので、非常に手間がかかるのですが細くしています。
手作業で、最高級の手延べ素麺を、この価格で提供する。という事で、大量生産大量販売出来ない私どもではその品質を売りにして差別化を図る。不況下で生き残っていく道だと思っています。
従ってお取引していただいているお客さんは殆どがリピーターです。
変わらぬ品質の素麺を提供する、研究を重ねてさらに食感の良い素麺を提供する事を心がけています。
今年も一部ではありますが、試験的に作った素麺を出し、意見を聞いていくつもりです。
良ければ来年以降で増産する事になります。
と言っても限度がありますが…
4月14日
家の裏の天神さんの長く目を楽しませてくれた桜も今日の雨ですっかり散ってしまいました。
代わりに庭の八重桜がこの雨で満開になりました。
これまでは吉野が散ってから咲き始め、20日過ぎに満開になっていたのですが、近年では温暖化と共に早く咲き始め、満開になるのも1週間ほど早いようです。
今年も”お花見”には行きませんでしたが、毎日仕事をしながら天神さんの”お花見”をしていました。
雨が少なかったせいか、桜の花も痛まずに、本当に長く桜を楽しめました。
と言っても先ほど書いたように、庭には八重が咲いております。
これが花びらがイッパイで、あでやかで綺麗なのです。
一本だけなのですが…
4月12日
今日から「春製」の素麺の製造に入ります。
小豆島では6月15日まで「1日工程」での素麺の製造を行います。
5月の20日頃までは良い天気が続きますがその後は「梅雨の走り」で、天気もぐずつきます。
手延べ素麺は「斜陽産業」ですが、景気の低迷が拍車を駆け、バブルの崩壊後の不景気、そのときの飽食、食の多様化などによって”古い時代の手延べ素麺”は衰退の一途です。

あれがいかん、これがいかんと並べ立てるより、将来どのように取り組んでいくのかを考えていかねばならない。
生き残る事。
手延べの技術を残す(伝える)事。
科学的考察(データ)をもとに、より技術を進化させる事。
”あんたもっと勉強しなさいよ!” ”しっかりね!”
自分にむち打って。尻叩いて。
少しでも参考になる事を残したいねえ。

ふう…(ため息)ちょっとしんどいて思うてる。
4月10日
4月8日
問屋さんは、この厳しい状況の中で生き残るために自社ブランドを作り、一生懸命販売(営業)してきた結果であろう。

確かに「雪印問題」から食品への”安全性”への注文は厳しいものがある。
その中で生き残るために、問題をすり替え、責任を他に押しつけて努力をしなければこういう事になってしまう。
「異物混入」で得意先を失ったと言うが、小豆島に限らず他産地でも「異物」に対する問題はある。
他産地ではどのような対応をしているんだろうか?
4月6日
 貝掘りに言ってきました。
 親の所に半分置いてきましたので、残りの半分で
 す。バケツに4分の3位ありました。最近では多い
 方です。昔はもっともっとたくさん取れたのですが。
 これ全部フジ貝です。

 干底は17:40分頃、50cmくらいまで潮が引きま した。
 早い時間ではあまり取れず、干底になった時に波
 打ち際でポロぽろっと取れたのです。
 これだけあれば5回位は食べられそうです。
 まずは汁にして、その濃い香り、ぷりぷりに張った
 アサリとは比べものにならぬ味わいを堪能する。
 酒蒸しにしてビールをいただく。
バター炒めも良い。ビールに合う。
5月の「シンガサンチ」には潮が20cmくらいまで引くので、もっと取れるでしょう。
貝掘りは掘って楽しめ、食べて楽しめ、思い出しては瞼のウラで貝がポロポロッと出てきて楽しめます。

不親切ガイド
我が家から車で約20分走ります。(小豆島です。)
徒歩約30分。

海岸を歩きますので、潮が満っておれば行けません。
乱獲を避けるためこれ以上は申し上げられません。
(ハッハ〜ン、自分だけが楽しみたいんや。)《ギクッ!ウッッ。》
今日は5,6名が来ておりましたが、私がエリアにしているところには誰も来ておりません。
つまり、私だけの縄張りという事になりますか。
かの辺りはみんなで堀散らかして、全面何度も掘っているという状態なのですが、私のポイントは全く掘っていない、手付かずの所なのです。
誰にも見えません。
誰も貝がいるなんて知りません。(シーズンには知っている人がいてやって来ます。)(あな恐ろしや〜)
4月4日
1日に午後から小箱(9kg)を160箱検査をしたのですが、すべて問題なく合格しました。
今年の完成の素麺は組合に出荷するものもすべて34,5番線(中にはもう少し細いものも)くらいの細さで作りました。
どこに出ていっても私の顔です。
価格が安くなっても私が出したものですから、個人売りと同じように細く作りました。
これまではどうしても「機械で延ばしたものと同じ価格なんだから、組合出荷分は検査に通ればいい。」と思ってきたが、ホームページを作り、将来の事を考えるようになって「小豆島手延べ素麺」という全体を考えられるようになったと思う。
誰にもいいものを食べてもらいたい。
小豆島の素麺のファンになってもらいたい。
「小豆島の素麺はうまい!」と言ってもらえるようにいろんな情報を出していきたいと思っています。


3日4日に友人が遊びに来る予定であったのが、急な転勤で来られなくなって予定が空きました。
バレーをやっている「みしま」のメンバーに声を掛けて花見の飲み会をすれば良かったなあ。
もっとも素麺の結束に一生懸命なのであるが…
2,3日先には潮が良く引くようなので一度「貝掘り」に行こうかと思っています。
戦果は写真を撮ってホームページに載せますね。
秘密なんですがね、「フジ貝」が取れるんですよ。
場所はね、これはいよいよ秘密です。
これ以上荒れて取れなくなったら、私の楽しみが無くなってしまう。
そうでなくとも貝掘りに来る人はいるのですから。
昔はバケツイッパイは軽く取れていたのですが、海洋汚染(特に養殖漁業による薬のまき散らし)によって皆目取れなくなってしまいました。
今では2、3度貝の汁を食べる程度しか取れませんが、”掻いていてぽろっと出てくる”のが楽しみで欠かせません。
4月より5月の方が良く潮が引く(”シンガサンチ”と地元では言う。)ので、今年は5月にも出来れば生きたいなあと密かに思っているのです。


4月に入ったのであるが「特定JAS規格・品質表示法改正」の告示はされていない。
9月16日に議決されたものが告示されるのに6ヶ月以上立ってまだとはどういう事なのか。
「BSE問題」「鳥インフルエンザ」「鯉ヘルペス」「SARS」など問題は山積だろうが、表示・規格課の問題では無かろう。
質問にもなしのつぶて。
告示もされない。
問題だらけの改正案を議決はしたものの、質問にも答えられず、年度末までに告示も出来ないとはどうなっているのか。

私は皆さんに情報を提供しました。
生産者を含めた業界の反応や消費者の対応によっては農林水産省の出方も変わらざるを得ないだろうと思います。
パブリックコメントはほんの少しの意見だけです。
このホームページを見て、どうなるのか不安に思っている生産者は多数います。
意見、疑問があれば「農林省」なり、「中四国農政局」に出す事が、5年ごとの見直しを行うのですから、私達の意見を反映させるためにも必要です。
私はこの問題について少し係わりましたので、この後どうなっていくのか追跡したいと思います。
4月1日
今日から11日まで仕事は休みです。
朝組合から「数調べ」に来ました。
435袋入荷。後306箱検査をして組合に出荷しなければならない。
買い取りを120箱することにしたので、5%のバックがあるので6箱余分に貰える事になる。
従って残り180箱の検査となる。
それにしても少ない生産量だと思うでしょうね。
手作業で少ししか一日の生産量がないのでこのようになるのです。
更に、昨年秋の天候不順で仕事が出来なかったのが原因です。
もっとも良くできたとしても452袋しか割り当てがないのですから、たかがしれています。

春製はもっと悲惨です。
こんな事では私達は生活出来ません。
自分で考えて何とかしなくてはと、気ばかり焦っています。

今日は朝の内に散髪に行って、さっぱりとして帰ってくると「昼から小箱の検査に来る」という。
急いで「切り込み」をかわしたり、掃除をしたりして昼食もそこそこに準備をしているとやって参りました。
なんの問題もなく(並オチも、てび替えも、クレームも当然のようになく)検査は終わり、小箱160箱全部検査に通りました。

「小豆島手延べ素麺のお話」の方で書いている「特定JAS規格・品質表示法改正案」に対するコメントなどすべて書きました。
これからは少しこちらの方にも力を入れたいと思っています。
こちらの方にも載せようか迷っていますが、素麺の研究とか問題とかは出来るだけ向こうの方で書いていこうかなと思っています。
あまり読む気のしない、面白くもない事ばかり書いてはいますが、素麺を作る上でも消費者が購入する上でも参考になる事を、いろんな角度から書いていこうと思っています。
皆さんの意見も聞きながら調べ、勉強して作っていきたいので、忌憚のないところを掲示板なりメールなりで教えてください。