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素麺記 04,11・12月

12月29日
随分空いてしまいました。
父の入院、葬儀、後かたづけなどあってとても更新する気にはなれませんでした。
毎日朝夕に墓参りに行き、夜は念仏を唱えていてやっとこの頃になって落ち着きました。
多くの人にお世話になりました。感謝です。
仕事は来年からになると思います。

葬儀のあと冬休みになったので2日だけ息子が大学から帰ってきました。冬休みの間アルバイトをするそうで3日目の朝に帰っていきました。きっと息子なりに親の落ち込んだ姿を見て慰めに帰ってきたのでしょうし、家計のことも考えて気を遣っているのでしょう。
口には出さぬが優しい奴です。

息子と背比べをしました。
なんと!
と思われるでしょうな。
普通小さな兄弟が5月5日に背比べをするものですから…。
実は、夜に念仏を唱えた後襖の敷居に背が届くか息子がやっていたもので、
「届くか?」
「背を伸ばしたらきちっと届く。」
「父さんは少し膝を曲げられるな。」「父さんの方が高いな。」
ほんの2cm程度のものですが勝った。
息子は幅があるので大きく見えるが、実際は私の方が背が高いのである。
(体重は比ぶべくもないですが…。)
12月9日
昨日から「極細麺」の製造にかかっています。
初日はこれまでにも増してうまくいった(というのも、非常にこの極細麺は作りにくく毎年夫婦仲が悪くなるほどに時間が掛かり、よく切れ、少ししか作れないのに夜遅くまで掛かって精神的にも体力的にもくたくたに疲れるのである。)のである。
「掛け機」ではこれまでよく切れて腹が立ったものだが殆ど切れなかった。
やっぱり小麦粉がよいと(ずっとグレードが高い小麦粉を使っている。)うまくいくもんだと安心いたしました。伸ばすのはやっぱりよく切れて時間が掛かりました。ここを何とかしないといかんな。
1,油をまんべんなく、少し多めくらいに(自社比)塗った方が掛け機でも伸ばすときにも切れにくい。
2,あまりに細くしないこと。40番線くらいにしておくこと。どうかするともっと細くしてしまうので。

今日はよく「デ」が来て延びすぎたので反省。
毎年毎年この極細麺には泣かされるのである。
本当に難しい。
しかし今年は少し多めに作っておこうと思っている。
販売をこれまでは単品で売っていたのだが来年からは詰め合わせでも出していこうと思っているので「手延べ素麺」に比べると生産量が少ないと思いますので。
12月3日
「手打ち御膳」で作ったうどんが好評です。
一生懸命作りました。 一度食べてほしい。
一番グレードの高い小麦粉です。これ以上ない小麦粉で一生懸命作りました。
自分で食べて「これなら安心して売れる!」と思いました。だから買ってくれた人が「美味しい」と言ってくれるとホッとします。
今後は半生うどんやそうめん、冷や麦とセット販売も考えています。
お歳暮にもお使いいただけたらと思いますがもう案内するには遅いですね。
11月30日
素麺の仕事については休んでいるので書くことはないのですが、気象庁の3ヶ月予報では今年も暖冬だそうです。
暖冬と聞いては、冬に仕事をするのは指が痛くなるくらい冷たいので少しでも温かいと嬉しいのですが、そうも言っていられないようです。
というのも暖冬であればどうも天気が晴れという訳ではなく雨の日が多くなるようなのです。
それは素麺製造にとっては全然よくない訳で、白い綺麗な素麺を作ることができないことになります。
少しでも良いものを作りたい気持ちも”温暖化”が天気に左右される産業にとっては辛いことになる。
そうでなくても斜陽産業なんですから…。
それが高齢化、後継者の減少へとつながっていく。
悪く転がればどんどん悪く転がっていく。
何ともなりそうもない。
11月23日
今日は仕事を休んだのですが、うどんを袋に詰めてシールして(仕事してます。)、楽しみのバレーの総会があるのでその資料の用意などしていました。
親の所に電話するとベッドを元の所に動かしてほしいという。(父は最近随分身体が弱って足腰が弱ってトイレに行くのもなかなか大変になってきているのです。それでトイレに行きやすいように今の場所に変えたのですが部屋が広く寒いので暖房しても温かくならないので以前の所に戻してほしいということでした。)
父の弟にもらった「安定剤」を飲んで昨夜寝たので、朝顔色が青く意識朦朧として起きられず食事も昼まで取れなかった。ベッドをかわし父を抱えて起こしベッドに寝かせたが、あまりに痩せて軽く「ああもうこんなに…」と思うと帰り道で泣けました。いつまでも元気な姿でいてほしい。
こういう事をここに書くのは筋違いなんですが、今の自分 を記しておきたかった。
親が支えですから…。いつまで経っても…。

先日見本にうどんを試食させてくれといってきた同業者ですがどうだっただろうか。
今まで「国産小麦」でうどんを作っていたそうですが今般の事件で使いにくく、私が使っている「手打ち御膳」はどうなのか聞いてきたのである。
「うまいよ」「仕事はしにくいよ」「イタギ、丸、自動巻、急激な乾燥と過乾燥に気をつけて」と申しましたが、そっくり自分に言い聞かせる言葉でした。
素麺作りは単純故に日々同じものができません。
いつももう少しいいものを作りたいと思っているのですが思うようには参りません。
「今日はまあまあかな」というところで満足しています。よく言うようにそれ以上突っ込んで毎日突き詰めてやるのは精神に破綻を起こしますので、「いつか」「そのうちに」「コツコツやっとれば」と前を向いてすすんどれば、いつかハッと気がつく何かがある(ひらめき、きらめき、啓示、爆発とも言う)。
11月18日
先日も書きましたがJAの「不正表示」(「讃岐の夢2000」100%使用と謳いながら実は20%しか入ってなく、80%がASWであった。)があったので、何となくどういう小麦粉(品名を含め)を使用しているのか言った方がいいような、言わなくてはいけないような気になります。
今年の秋に組合を離れ、独立しましたので自分で納得出来る小麦粉を厳選して製造しています。
だからこれまでとは全く違う食味食感をしています。
私が販売しているのは納得出来る小麦粉を使用しています。
結構グレードは高く値も張ります。
素麺を作るのとうどんを作るのは小麦粉はまた別で、素麺には「特雀」を主に、うどんには「讃岐うどん」にもあまり使っているのが少ない最高級の「手打ち御膳」というのを使っていますが、「コシ」はいいですよ。
今日はうどん(乾麺)を作ったのですが、晩に食べるために乾燥途中の半生を一管とって食べたのですが、これがまたうまいんです。コシがあってモチモチ感があって家内と2人で「これやったら安心して売れるなあ」と話しておりました。

まあなんや不正表示から宣伝になりましたが、自分が何を使っているかはっきりさせるということはお客様に自信を持って販売出来る商品作りということですから、まず自分で納得出来なければならんということです。
売れなければ生活出来ませんので買ってください。(本物を見てくださいね。)
11月15日
うどんや素麺の段ボールの手配とか小麦粉の手配をしています。
なんや味気ない書き出しやなあと我ながら思うんですが、JAの「不正表示」問題があるでしょう。
この冬からうどんの小麦粉をN社「手打ち御膳(ASW)」(うどん用小麦粉としては最高級です。)にして製造法などよく改善をしてより食感のよいものを出したいと思っています。
もちろん価格は今まで通りです。変えません。
香川県だから、讃岐だからといってうどんには県産小麦(讃岐夢2000)ということはないです。小麦粉使用料の3%程度の生産では回ってきませんし、品質も「手打ち御膳(ASW)」の方が格段に優れています。今はかえって県産小麦を使っているという方が、報道などによれば「偽装表示」の疑いもあって、疑わしいと思われるでしょう。
本当に難しいことだと思います。
報道から1週間が経って、みんなして消化剤をまいているような気もしますが、本当にうまいものはうまいんです。便乗して儲けようとする、或いは逸脱してしまう盲目の人もいますがそれで全部を評価されることはないんです。
今矢面に立たされていなくても心当たりがあるものは自ら襟を正すことです。
雪印の問題、牛肉の偽装などあるのですから判ったところで修正することが大事でしょう。

私は昔ながらの手作りの素麺(もちろんすべての作業ではないですが)を作っています。
熟成をしっかりとり素麺の熟成に合わせた(決して機械作業に合わせた素麺作りではない)仕事をしています。それだけは絶対に曲げられない。
本当のところを伝えていく責任がある。
(機械作業に合わせた仕事では麺の本質は失われ、核心が伝承されない。)
11月6日
ゲッ!
ほんとにゲッ!やね。
ここんとこほんとに書いてないのね。
久しぶりに仕事の日記。
3時50分の目覚ましで起きる。
眠いので気持ちは布団を愛しているのです。
4時起床。
トホホ…。
服を着て起きればもう未練はさっぱりと捨てて仕事に向かう。
(男は未練たらしくせんのじゃ!)
ちゃっちゃっちゃっと万端滞りなく仕事を進め、…
(えらい手短に説明するなあ。さっぱり判らんがな。)
まあ思い通りに順調にエエ素麺に仕上がってるっちゅうこっちゃで。
というふうなことで綺麗な、食べてみるともちっ、じゅわっ、ぎゅっと(わっからんなあ、擬音ばっかしで。)弾力のある素麺ができました。
小麦粉なんですがね、高っかいのをつこうとんですわ。
で、値段は据え置き。(ははあ宣伝…。)

本を読むとやね、その人の文体をまねるというのかその人と同じような精神年齢というのか(サービス精神が旺盛と言うて)ニヤッとわろうてもらおうとするんです。
こういうときは平常心です。
(これがかい!)