素麺記 ’03,12月
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12月28日
新聞に、「たけのこが生えた。」「ヒマワリが咲いた。」とさも明るいニュースであるかのように書いていた。
温室栽培で四季に関係なく野菜や果物が市場に出回って、当たり前であるかのように受け止められている昨今であるが、この真冬にたけのこが生え、ヒマワリが咲くのは異常である。
環境破壊と共に地球温室効果でまさに地球規模で異常気象となっているのである。
日本ではこの夏冷夏であったが、国によっては猛暑、酷暑という事で平均気温は相当高かったと報道されている。
だから、新聞記者はこれを明るい記事として書くのは間違いで、環境問題に言及すべきであり、どうしても明るい話題を提供したいのなら他の記事を選ぶべきである。
閑話休題
まだ年賀状を書いていない。
こんな事書かないで年賀状を書かなければいけないのだが、気持ちがぱっと向いていかない。
まあようけ書かなあかんのでうんざりという気持ちがあるので、どうしてもせっぱ詰まらなければ書かないという「習慣?」になっている。
明日今年最後の仕事をして、片づけ、掃除をして年末ムードになるからそれからかなあ。
12月26日
今日最後の極細麺の製造をしました。
自動巻工程でも重ならずにきれいに巻け、掛け機工程でもいつもよりも切れずに掛けられ、20分あまり時間が短く済みました。 管にも重ならずに掛かり、箸分け工程もさほどに切れず、乾燥するために外に出すのですが、麺がしっかりしているのでこれも切れて跳ね上がる事もなく、すべて順調に製造出来ました。
いつもより1時間以上短縮出来たので「いつもこれくらいにできるといいね。」と家内からいわれました。
この原因となるのは原料の小麦粉ではないかと思っています。
というのも、普通の素麺(32番線)を作っていたときも前の小麦粉を使ったときには「かけ始めの台」は伸びず、よく切れたのです。今の小麦粉になってからは「スッと伸びるのです。」
今日の素麺の試食をやって(官能試験)食味食感がどの程度か確認しておかねばなりません。
12月22日
今日は昼から検査
検査というのは素麺を作って結束をし、箱詰めしたものを一箱ずつ検査員が素麺を出しては、「色」「艶」「太さ」「均一性」「結束の具合(テープのずれ、印字がきちんと押せているか)」などを見るのです。
すべての項目に合格して初めて「合格品として」レッテルを貼り出荷されます。
もちろんすべて検査は合格しました。
私が求めているのはこんな表面上の「見てくれ」事ではなく、素麺そのものの食味食感をどうすればより良いものになるのかです。
製造段階の各工程に一つ一つより良いものを求めて、さらに良いものを作り上げたいと思っています。
半年、1年おいてなお弾力「コシ」のある(決して硬いだけのボソッとした素麺ではない)そんな素麺を作っていきたいと思っています。
検査が夕方4時半までかかったので明日の仕事の用意ができなかった。
よって検査した素麺をロープでくくり出荷出来るようにした。
手にとげが刺さったり、あちこち傷ができた。
12月20日
今日、小豆島で初雪が降りました。
北の風が吹いたときは中国山地で降って瀬戸内海まで雪が降る事は少ないのです。
20〜30cm積もった事はあるのですが今から20年ほど昔の事です。長男が生まれた年なのでよく覚えています。
5〜10cm位つもった事はそれからでも数えるほどしかないのですが、小豆島はとても寒く感じます。
雪は中国山地で降り、乾燥した冷たい北風が吹き付けます。
これが身に堪えるのです。
日本海側から小豆島に来られた人は小豆島の方が寒い!といわれます。
小豆島で雪が降るには、北風ではなく西風が吹かなければ積もるような雪は降らないのです。
そう、東シナ海から瀬戸内海に入ってくるような。
こういった事は滅多にないので小豆島は、冷たく乾燥して「手延べ素麺作り」に適しているのです。
ただし、人間にはやはり寒さはこたえます。
明日は晴れ時々曇り。
明日の仕事はちょっと辛いかも。
12月19日
サブイ
予報は午前中の雨が雪に変わるだろうとの事でしたが、明け方一時雨が降っただけで日中は晴れたり曇ったりの天気でした。
しっかし風は強く、暖冬慣れしているオジサンの身には応えました。
ところが夜の天気予報を見ると「香川県」6,3℃〜8,0℃とさほどに温度は下がっていない。
となるとよほどの暖冬ボケだ。
天気が悪いという事で製造の方は休みにして結束したり、お歳暮にする「半生うどんの箱詰め」をしました。もっとも日中雨や雪は降りませんでしたが。
今年は天候不順という事もあって生産量が落ちている。
とりもなおさず収入が減るという事に他ならないのだが、かといって雨降りに製造する気にもならず、ひたすら空を見て、「年が変われば天気もよくなるだろう」と期待するのみである。
ところで手延べ素麺の「表示法・JAS規格改正」案はどのような事になっているのだろうか?
農林水産省ホームページを見ても分からない。中四国農政局の方を見ても分からない。
「9月19日の会で原案通りに可決」して3ヶ月になるのに告示されないのはどうしたものなのか。
一度電話連絡して状況を問い合わせてみようと思う。
12月13日
12日の四国新聞によると小豆島の観光客数は7月以降は順調に回復との事。
SARS騒動克服とある。
確かにテレビ、新聞による”宣伝”や県などの行政のキャンペーン、更に旅行代理店による小豆島支援策の一環としてツアーの設定などがあっての事である。
私はこの記事を見て腹立たしさがよみがえってきた。やっと忘れかけていたのにだ。
私の仕事は素麺製造業。
5月末からお中元ギフトが始まるのです。
そこにこの騒動。メディアの過熱報道。
「6月になったら送ってください。」といってお中元先を記して予約が入り始めたときでした。
それが「今年はやめておきます。」とキャンセルが入り、6月に入ってもいつもこの時期に注文が入る会社、個人の注文が来ない。
どうする事もできない。
ホテル関係だけがちやほやされる。
むかっ腹が立った。
しかし辛抱するしか、我慢するしかない。
じっと辛抱して、患者が出ない事を祈り、過熱報道の熱が冷め世間が忘れてくれるのを待つしかない。
辛い夏が過ぎ暮れが来て、何事もないようなお歳暮の時期となった。
そこにこれだ。「災い転じて福となす。」
なあにがじゃ!
陰で辛い思いをした人を慮りもせず!
新聞もだ。表看板だけ記事にすれば、花があって見てくれがよかろうが、陰で何の手もさしのべられなかった人たちが多くいる事を知れ!
12月10日
随分間が開いてしまいました。
プレゼント企画当選者の皆様には明日11日に発送いたします。
発表してから発送までに日にちが掛かり申し訳ありませんでした。
多くのご注文を戴き誠にありがとうございました。
今後ともよろしくごひいきの程お願いいたします。
今年は「半生うどん」がとてもおいしいと好評でよく売れています。
例年は鍋用に「乾燥うどん」の注文が多かったのですが、やはり「讃岐うどん」の影響があるのでしょう。
今後は食味食感が抜群によい「半生うどん」が大半を占めるようになるのではないでしょうか。
さてもう少しで極細麺の製造も終わります。
本当にストレスのたまる仕事です。
麺作りをしていて心身共に一番疲れる仕事です。
休日にはなにもせずにこたつに入って寝ころんでいます。
大抵は「切り込み」でおいている素麺を結束するのですが、もう身体が勘弁してと泣いています。
1日にも書きましたが「朝顔」なんですが、まだ咲いておるのです。
今日通りかかってみましたら、確かに咲いておりました。
あれ本当に朝顔なの?
耐冷性?のある品種なんやろか?それともばったもん?いやいや違う品種?
気にはなるけど確かめない。
夢は夢のままがよろしい事もある。
12月1日
今年の冬は暖冬という事でした。
先月は秋雨前線かと思うほど雨が降りました。
先日には季節はずれの台風が南岸を通っていきました。
そして小豆島の池田町蒲生という町には、まだ朝顔がイッパイ咲いておるのです。
国道沿いの庭にイッパイ。
通るたびに???????…!
なんでや?
冬なの?秋なの?夏なの?
さすがに夏とは思えんがなぜ朝顔が咲きほこる?
台風が通り過ぎて、北の高気圧が張り出してきたので冷え込んできそうである。
ただし移動性なので3,4日後にはまた雨が降りそうである。
少し早めだが極細麺の製造に取りかかった。明日から製造いたします。
40〜43番線くらいの細さである。
中旬に掛けて作り、来年梅雨時期を過ぎるまで貯蔵して「厄」を経て出荷する。
細いのが好きで買っていただいている人は、これ以外は食べられないほどのようです。
閑話休題
先日の事。
家内が「眼鏡今度縁の丸いのを買い替えようかなあ。」と申しますので
「似合うんちゃうん。」「ちょっとかわいなるんちゃうん。」と申しますと、
確かに”ふっと”うれしそうな顔をしました。
そして「わかっとる。田舎のおばちゃんの顔や。」と申しましたが、
口は、たしかにそう申しましたが、顔はそうではありませんでした。
実に良い事をいたしました。
一日一善達成