闇の中の惨劇 前編


先日の事です。 私は、とある友人宅へと遊びに行きました。 時間は、夜の七時を過ぎた頃でしょうか。
友人宅の前へ車を止めた時、私はある事に気が付きました。

家の明かりが点いていない・・・

五月になり日没が遅くなってきたとはいえ、明かりを灯さない時間だとは思えない。 外出しているのだろうか? ・・・困った。
周辺には民家と田んぼしかなく、時間を潰せそうな場所など無いのだ。 とりあえず呼び鈴を押してみる。 沈黙。
もしかしたら寝ているのかも、そう考えた私は玄関の前まで行くとドアに手をかけた。

カチャリ

玄関は何の抵抗もなく開いた。 恐る恐る玄関をくぐり、暗い屋内へと声をかけてみる。 やはり沈黙。
玄関の靴は慌てた様子を物語っているかのように乱れている。 慌てて・・・ そう、慌てて買い物に行ったのでは? 私が来る事は知っているからそれで玄関の鍵を開けていたのでは? 新築の家の玄関を? しかも車も使わずに? ・・・車庫にはスカイラインが残っていた。 そして、これから外出するかのように、下駄箱の上には車のキーが置いてあった。

私は、お酒とその家の子供用に買ってきたお土産を玄関へと運び込み、靴を脱いで廊下に上がった。 だが、明かりを点けるのには何か抵抗があった。 やはり家主がいない時に・・・ そう考えたからだ。 それに、心配性なご近所のオバサンが通報してしまうかもしれない。
私を不審人物として!!

・・・やはり外で待とう。
引き返そうと思った時、何か視線のような気配を感じた・・・ ような気がした。

・・・誰かいるのか?

その時になって私は、とある可能性を考えた。
最近は暗いニュースがとても多い。

もしかしたら・・・

体内で大量のアドレナリンが分泌されてきた。


ドラマや恐怖映画等でこのようなシチュエーションを見かける度、何で引き返して警察なりに通報しないのだろう・・・ 私はいつもそう思っていた。
しかし、実際にそのような場面に出くわした時にはドラマの人物のように事実確認を優先させてしまうものらしい。 既に私が身をもって証明している。

出来るだけ音を立てないように暗い廊下を進んでいった。

つづく


恐怖に満たされた後編は ココ だ!!




もういいです!