第一章
爆 走! 新 幹 線!!


西暦2000年、ミレニアムとして騒がれたこの年の暮れ、ある人物からある提案があがった。
急な話で申し訳ないのですが、
12月30日にアダルト同盟オフを行います・・・


アダルト同盟とは、心霊関係を含むHPを運営している平均年齢20代後半の集まり。 その結束の固さは硬度ダイヤモンドの悪魔将軍を上回り、強敵と書いて ”とも” と呼ぶに相応しい仲間達!!

同盟員であるDEVUNサマ(以下DEVサマ)からの提案に私は即断しなかった。 この正月、ラッシュを避ける為に帰省をズラそうと考えていた私には時間がある。 だが、やはり四国から関東は遠いのだ。 だが、それもわずかな時間の事。 再び彼らに会える。 その想いに勝る出来事はこの年末年始には予定されていないのだ。 私は決めた。
いざ、鎌倉(鎌倉じゃないけど)!!


30日当日。 私はタクシーの中にいた。 よそ者の私は高松でバスに乗ると全く知らない場所へと配送されてしまう可能性が極めて高い!! 出費がかさむが駅までの道程はタクシーを使用する。
『この年末は忙しいですか?』
『いやぁ、ヒマですねぇ』
いつものような会話をしながらタクシーは駅を目指す。 会話はその後、何故か交通事故の話へと変わっていった。 どうもこの運転手さんは道交法の不条理さに不満があるようだ。 ごく最近、事故でもしたのだろうか? かなり感情的である。 私もこういう話は好きなので、車中はかなり盛り上がった。 更に話の内容は最近の少年犯罪へと変わっていった。 おりしも数日前にタクシー運転手が被害にあったばかりである。
『子供だろうとなんだろうとあんな奴らはどこか一箇所に集めて隔離しとえばええんや。 どうせ奴らはそこで殺し合いでも始めるだろうけどな。 そういう施設に使う税金なら全く惜しくなんかない』
バトルロワイアルな運転手さんはかなりヒートアップしてきた。 仕事も忘れて激高しているようである。 もはや会話ではなくなりつつあった。
駅はまだなのか・・・
既に相づちしか打てなくなった私は窓の外を見た。 こんな時の駅はとても遠い。

駅に到着した。 運転手さんは満面の笑みで見送ってくれた。 私は一服した後、自動切符売場へと移動した。 そこでは(失礼な言い方なのだが)少し頭のおかしい方が周囲の人達に何かわめき散らしていた。 彼を中心とする空間を横切り、私は切符を買おうとした。 だが、新幹線を含む切符販売機はボタンだらけでよく操作がわからない。 モタモタしていたら先ほどの彼が私の横に来て叫びだした。 私は遠い過去にそういった方を相手にしてイヤな出来事があったので、こういった時には全く無視する事にしている。 やがて彼も去り、私は無事に切符を購入してマリンライナー岡山行きに乗った。

色々あったが、これからが本番である。