【同行ニ人】
山頭火は四国遍路の旅には2回訪れています。 1回目は昭和3年で、徳島から室戸岬に入り、順めぐりの遍路行をしています。このときは、土佐路の札所(24番から39番まで)をすべて回っています。足摺岬にある第38番札所金剛福寺にも訪れています。土佐清水市に立ち寄ったとき、そこから友人に出した葉書が残っています。

ご無沙汰いたしました。おかわりないことと存じます。昨年末から四国巡拝の旅をつづけております。この冬はあたたかい土佐で雪    らしい雪も見ないで・・・室戸岬は、ほんとうにいいところです。4月中には小豆島に渡ります。奥様によろしく、お大切に・・・。
(昭和3年2月27日・土佐清水にて)

踏み入れば人の声ある冬の山


旅ごろも吹きまくる風にまかす


この1回目の四国遍路旅を記したであろう日記、手記を全て焼き捨てていますので、今となってはその時の土佐路での山頭火の所業がわかりません。

焼き捨てゝ日記の灰のこれだけか


<行乞姿の山頭火>

<現代のリック姿のお遍路さん>
2回目の土佐遍路行は、昭和14年、山頭火57歳の秋でした。この時の土佐での行状は「遍路日記」として残っています。土佐での山頭火の行程を地名表記(現在の市町村に置き換えます)のあるところを中心に抜粋して「四国遍路日記」土佐編として、別サイトで、ご紹介いたします。山頭火の土佐路での「酒と俳句の16日間」です。
 しかし、この時は遍路行を高知市で中止し、西方の四万十川、足摺岬へは向かわず、仁淀川経由(現在の国道33号線)で松山へと帰っています。