人生はヨットに似て 人の生き方を考えていましたら、お手本はヨットに似ていると思えてきました。 生まれたとき、大海原に放り投げられた手足が動かせるだけの小さな自分と木片。 成長するにつれ思うように動かせる手足と、大きさも増した木片。水中で、手足を動かすことで移動することを覚え始める。 そのうちその木片を船にすることを覚え、オールを使って漕ぐことを覚え、エンジンを作り、それを大型化して自在に強力に動き回れるようになる。燃料を入れ、エンジンをかけ、舵を切れば、思うところへ移動ができる。でもそこには風と波が立ちはだかる。燃料が切れれば動けない現実もある。 もっと何か良い方法はないか、別の人は考えた、漕がなくとも風が押してくれるではないか。帆掛け舟は風下へしか動けない。そしてスピードも遅い。そんなんじゃ日が暮れちまうと言われながら。 やがて船底に工夫をすることで自在に動けることを見つける。動かすには舵だけ切っていればよいだけでなく、進行方向や、風に合わせてセールの調整が忙しい。そして面倒でもある。 ありがたいことに燃料は無尽蔵。待ってさえいればそのうちに風が吹き出す。うまく捕らえて走り始める。風や波の怖さを知り、力強さを知り、ありがたさを知り、感謝しながら。怖さを知れば無理をしない。力強さをうまく利用できる術を知る。自然と調和しながら進むことを覚える。気をつけることはただメンテナンスを怠らないだけ。 エンジンつきの船は波風に耐えれるよう大型化をはかり、巨大になっていく。人も多く乗れるし多くの部屋も取れる、反面多くの燃料を積み込むことになり費用もばかにならない。燃料になる元を探し、精製し蓄えておき、点々と補給基地が増えてゆく。 世界一周をしようとするとき、エンジンつきの船では大変な装備と膨大な燃料が必要となる。わずか数mの船など考えられない。一方、ヨットは、近海を帆走するものより少し頑丈にしてあげれば、大型艇でなくともそれが可能である。 風に合わせて常に気を配り、たまにしか休まるときは無いように忙しい。でもそれで体力の低下も防げ、いろんな天候に合わせて走る業を磨いてゆける。 エンジンと舵だけでたどり着くよりも、ただ走っているだけで、多くのことを学んでゆける。人生を乗り切るにはその人の考え方でどうにでもできる。大船に乗っても行けるし、小さなヨットみたいにいろんなことを習得しながらボチボチも行ける。 どっちが良いではなく、どっちも良い。 人生を乗り切るのも似ている。早くお任せで突っ走ることも良い。ゆっくりしっかりでも良い。自分にあった走り方で乗り切れて行けば。 ただ両方を知っていれば乗り切る切り札が多い。この先の荒波と逆風に耐え、乗り切ってゆきたいものである。 風の逃がし方、バランスのとり方が身につけば、高性能エンジンが無くとも乗り切ることができる。じっと通り過ぎるのを待つときもあり、ガンガン攻めるときもあり。試してみませんかヨット乗りの生きかた。 |
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