言語は生き物

受験生に英語を教えていると、読解問題で、様々なテーマの文章に出合います。どれも1〜2ページの簡潔な
ものですが、意外に面白くて勉強になります。特に理系向けの問題には、最新の情報を含んでいるものが多く、
私の知らないことをいろいろと教えてくれます。

近頃よく出てくるのは、脳の働きに関する文章。脳神経細胞は、ある文章では、約500億あると書いてあり、
別の文章では、100億から1000億で、正確にはいくつあるのか誰にもわからない、と書いてあります。
人間の脳は1600グラムに満たない重さだけれど、世界中の全図書館が保存できるよりも多くの情報を
保存することができるそうです。そう聞くと、記憶力の悪い私でも、「頑張って脳を活用しないとなぁ」と思います。

最近読んだ中で面白いと思ったのは、蚊は刺す人を選ぶという話。蚊は選り好みが激しく、人間の体の湿気や
温かさ、汗に含まれる化学物質を調べて、注意深く犠牲者を選ぶそうです。だから、「次に蚊に刺された時には、
自分が選ばれたのだとちょっと思い出してください。あなたは特別な人なのです」とその文章には書いてありました。

虫に関する話で、もう一つ、なるほどと感心させられたものがありました。昆虫は、高いところから落ちるのは
平気だけれど、水に濡れることは命にかかわるほど危険だという話。これは、科学的に言うと、重力は
怖くないけれど、表面張力は怖い、ということになるそうです。昆虫は体重のわりに表面積が大きいので、
落下の時は、空気抵抗が大きくなるため衝撃が小さいけれど、いったん水に濡れると、自分の体重の
何倍もの重さの水を身にまとうことになるそうです。身軽そうに見える虫たちの意外な弱点発見ですね。

学生時代、理科はあまり得意なほうではなかったんですが、大人になってから読むこういう話はとても面白い。
科学的な内容も、素人にもわかりやすい説明がなされているので、楽しんで読めます。

Column

コラムのページへ戻る

All rights reserved.