以前通っていた英語講座で、アメリカ人の辞書編集者が書いたコラムを読んでいました。辞書にも載っていないような
古語や新語がよく出てくるので予習に苦労しましたが、今までのどの英語講座でも得られなかったような視野が得られ、
とても勉強になりました。そのコラムを読んで痛感したのは、英語は常に変化しているということ。
流行語のように新語が生まれ、古語が消えていくという変化は、短期的にもすぐわかるものですが、長期的に見ると、
歴史のある単語も時代とともに変化しています。綴りが少しずつ変わり、それとともに意味も微妙に変わる、そして、
アクセントの位置も変わることがあります。現代は、アクセントの位置が前へ移動する傾向があるそうです。こんな文章を
読むと、一生懸命アクセントの位置を覚えている受験生はどうなるの?と思ってしまいます。
文法もだんだんと崩れてきています。コラムでは、政治家を始めとする有名人の文法ミスが多く指摘されていました。
そういえば、She don't〜という表現を見聞きするようになってからずいぶん経ちます。3単現のsはどこ?と思うのは、
英語を教科として勉強している人だけで、母国語として毎日使っている人たちには関係ないのかもしれませんね。
翻って日本語を考えてみると、状況は全く同じ。言葉も文法もどんどん変化しています。ら抜き言葉はすっかり定着し、
「繰り上げ」は強引な印象を与える「前倒し」に変わり、近頃、「晩ごはん」を「夜ごはん」と言うのもよく聞くようになりました。
レストランで、「…でよろしかったですか?」と言われるたび、「何で過去形?」と突っ込みたくなるのをぐっとこらえる私。
言葉の変化は、それが使われている限り誰にも止められないものなんだと思いますが、なるべくいい方向へ変わって
くれるよう祈るばかりです。
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