アメリカ英語とイギリス英語

高校と大学でアメリカ人と話す機会があった私は、初めての海外だったイギリスへ行った時も、
ある程度は英語が通じるだろうと思って呑気に構えていたんですが、まず相手の言うことが
さっぱり聴き取れないのに驚いてしまいました。日本で聞いていた英語と全然違う!というのが
最初の感想です。学校の授業やラジオ、テレビの講座で聞く英語はほとんどがアメリカ英語で、
無意識のうちにアメリカ英語に慣れていたようです。

アメリカ英語ではt音をはっきり発音しないので、r音のように聞こえます。Shut up.がシャラップと
聞こえるのはこのためです。他方、イギリス英語では、子音をよりはっきり発音します。平坦に
流れるように聞こえるアメリカ英語に対して、イギリス英語は、子音がツンツンと引っかかるように
聞こえます。慣れれば、子音がはっきり聞こえるイギリス英語の方が、むしろ聴き取りやすいかも
しれません。

発音だけでなく、単語や綴りにも違いはあります。語学学校での授業中、はりきって答えたら
"That's American."と先生に言われ、イギリスでの言い方を教えられたことが何度かありました。
例えば、タートルネック(turtleneck)はイギリスではポロネック(polo neck)になります。また、
イギリスではエレベーター(elevator)のことをリフト(lift)というので、日本人の友達との会話でも、
「リフト故障してるから階段で行こう」と、エレベーターのことをリフトと言っていました。綴りの
違いの例としては、カラー(color)がcolourになったり、センター(center)がcentreになったり
といったものがあります。

文法や使われる前置詞の中にも一部違いはありますが、それらも含め全体的に、イギリス英語が
アメリカ英語化する傾向があるようです。しかし、グローバル化の今日、世界のあちこちで
コミュニケーションに英語が使われているんだから、別にアメリカ英語が正しいというわけでは
ありません。日本語訛りの英語があったっていいと思います。

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