温泉による総合作用


温泉の適応症の中にも慢性と付く疾患名が多く見られますが、これら適応症の医治根拠は温泉の主効能である自律神経系、ホルモン系の正調作用に起因しています。

温泉の自律神経系、ホルモン系正調作用の機序を見てみると分かりますが、温泉のすべての特徴を駆使して得られると言っていいほど広大で多岐にわたっています。

医治根拠
*気候因子:温暖な瀬戸内気候 晴れの日が多い(全国トップ)
*環境因子:
自然環境 緑豊かな山間部 笹ヶ瀬川渓谷
生活環境 都市部とは離れた郊外の立地
湯治環境 ゆったりとした貸切浴室でリラックスできる。

*温泉浴作用
化学成分作用 ラドン・メタホウ酸・メタケイ酸・フッ素イオン
液体特性作用 酸化還元電位・遠赤外線・pH9.5
温熱・静水圧・浮力(これらの物理的作用は淡水浴でもある)

気候因子、環境因子を日常生活から離れて異なった場所に行くことでそれに対応して神経系とホルモン系の活動が活発になり心身ともにリフレッシュされ健康な生活を営むことが出来るようになります。

そのことを温泉による転地効果といいます。

温泉浴作用は体に対して総合的な入浴刺激を与えますが、この刺激が体の調子を変える働きをします。

この場合、刺激の種類(泉質等)には関係なく、総合的な入浴刺激とそれを受ける体の反応の仕方が問題となるので、このような作用を非特異的変調作用といいます。

また温泉浴作用の内、温泉水による物理・化学作用は泉質ごとにその温泉特有の働きがあります。

以上の温泉による総合作用が生体に及ぶとき、生体側では温泉による刺激に対し防衛反応を起こし、生体コントロール機能により順応して行こうとします。

そして湯治でこのような総合生体刺激を継続すると、振り子の振幅に例えられるように徐々に生体自らの自然正調力により振幅を狭めて、さらに順応して行く過程において自律神経系、ホルモン系を正調していきます。

温泉による総合作用は、これらのメカニズムにより慢性疲労や病的状態を健康状態に整える効果があるといわれています。

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