ひとりひとよ (孤独闇夜)
榊 浩一
作者のHP
いつからか 夜の優しさに抱かれ
眠りにつくことが 当たり前になって

独りでいることに 何の疑問も感情も
抱かなくなっていった

いつからか 誰かの温もりを
忘れてる僕がいて
独りで夜の帳の中
閨に身を横たえて

冷たい月の 青い光の中で
星々の囁きに耳を傾け
心を空にゆだね
優しい夜に 抱かれ眠る


小さき我が身には 誰かの重みを支えることも
かなわないと 知ってしまって

ただこの夜だけが 狡い僕を受け入れてくれた
何も問わず語らず ただそっと抱いてくれた

この優しい夜に抱かれ 今宵も静かに眠るだけ……