ひだまりの午後に
羽根が舞い下りた
体温から剥離した
しろい優しさ
色々なとりの羽根を集め
うつくしくなった鴉の
物語があった
ないものねだりの
空虚な人間に
羽根が舞い下りた

この羽根は
さっきまで空を飛んでいた
両手を動かす事さえ
億劫なときがあるのに
動かさずにいられない

ふと手の力を緩めると
羽根がとおのいた
とおのいて
いのちを脱したまま
小さな水たまりに落ちて
浮かんでいる
濡れた羽根は水を吸い込み
重い夢を
くくりつけられた
再び舞い上がることも無く
鳥の無事を願う
それはもう一度
私の無骨な手の上に拾われて
暖かい風にあたたまり
静かな窓辺に運ばれる
白く光る羽根
空を飛べなかった
人間の夜に




羽根
星粒
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