ただ白く果てしない大地を
あてもなく彷徨う一匹の兎のように

いま誰か呼んだ?私の姿が見えるの?

雪が舞う霧よりも深く白い闇
涙も凍るほど冷たい吹雪の夜

あのひとは声をからして歌い続ける
私の耳に届くありったけの希望の声

しんしんしんと声がする
遠く遥かな大地の夜空を

わたしは兎誰も知らない兎
このまま白い闇にとける兎

しんしんしんと私は泣いた
まぼろしのようなあのひと

いま誰か呼んだ?
どうして私を憶えているの?





雪うさぎ

2003/01/30

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