たそがれて私はもしかして
追い詰められているのだろうか
風もないのに波立つ川の流れ
押し寄せて来る紅色の水の襞
一歩前へそしてあなたの声が
ぽちゃんと落ちていく深い底
もしかして私はたそがれて
このまま流されていくのだろうか
濡らすことを覚えた悪戯な子供が
光る水滴を大好きな母に贈るように
一歩前へそしてあなたの笑顔が
ひたひたと掬われていく遠い流れ
私は水になる 私は海になる
蒼く果てしなく
いのち尽きるまで
黄昏
詩織の部屋へ