いつも 無くした絵具をさがしていた。
ホワイト一色しか使えない不器用さ。
語彙の少なさは抒情を隔てる。
詩人は巷にたくさん居るのです。
ひとり
ギターの弾き語
の青年 あのひとも詩人です。
トンネルを進むたび
待って待ってと追ってくる
月の影絵のような
なにかひっそりした詩の温度が
わたしのからだを愛しくつつむ。
そのとき拝受した
えたいの知れないはだ触り。
其れを
たまごのようにもちかえってあたためる
詩人は
わたしだけでなく
また
木々のうたも
子の寝息も
すべてが朝につながってゆき
あの歌い手はもう帰っただろうか
夜露の詩をかいているかもしれない
詩人
星粒