このままじゃぼく浮かばれないよ
あの子が闇の中から声を嗄らして
叫んでいた いまは春遠い記憶の空
はらはらと桜散る陽だまりで
あの子の声を聞いていた
こんなにもまっすぐにそこにいる
たしかな感触 きらきらと光る瞳
受け止める抱きしめる頬をよせる
母さんもういいよぼくこれが欲しかった
あの子の髪に口元に手のひらに
ほらね無くしたらいけない
潰したらいけないそっとして
あの子が花びらになる
青く澄んだ空のかなた
そっとあわせた手のひらを
風がくぐり抜けていく
あの子は桜色の空になった
儚くせつなくどうしようもなく
遠くに流れていくのだと言う
いまは春 桜色の空の下
いまは春 やっとあの子に逢えた春