どんぐり君
時々だけれど君を見ているよ
時々だけど
だってね、風の向きで大地の見える所が色々だから
君の芽が硬いから、僕は一生懸命あたためてあげてるのに
まだ、君は気付いていないんだね
もうちょっとなんだけれどなあ
切っ掛けないかなあって探したよ
ちょっとでいいからさ
その真っ白な羽を貸してくれないって
かもめにお願いしたんだよ
君のために
お貸しするのはかまわないけれど
所詮これは私のためにあるの
その方にはその方の羽があるはずよ
どんぐり君
そうだなあって思ったよ
改めて君を見たよ
あったよ
時々だから他の時は胡桃君を見てる
胡桃くんはしわくちゃに丸まって泣いていた
空をにらむ勇気はまだ出てこないようだよ
かわいそうだなあ
君は空をにらんで泣いている
だから僕たち雲も風も君を知っているよ
はやくおいでってみんなで思っているよ
僕らはもうみんなが見付けたよ
ピカピカ光っているよ君の奥で
涙は拭くんだ
きっと見付かるよ
君の羽が
木漏れ日より木の実君へ
夜鏡