つらぬくような想いで空を眺めていた
雲になれず風になれず青くもないこころで

いったいどれほどの鳥が
この空を飛んでいったのか

私はちっぽけな木の実
もう枯れ果ててしゃらしゃらと泣くばかり

願い続けていいのだろうか
祈り続けていいのだろうか

ひらひらと舞い降りてくる羽根が欲しい
ふんわりと息をしていつまでも待っている

この身を嘆くまい
実が香ると名付けられた私だから

しゃらしゃらと泣きながらはじけて
いつかきっとあの空を突き抜ける

ただひとつの木になろう
高くはるかな木になろう







木の実
2002/11/30
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