つらぬくような想いで空を眺めていた
雲になれず風になれず青くもないこころで
いったいどれほどの鳥が
この空を飛んでいったのか
私はちっぽけな木の実
もう枯れ果ててしゃらしゃらと泣くばかり
願い続けていいのだろうか
祈り続けていいのだろうか
ひらひらと舞い降りてくる羽根が欲しい
ふんわりと息をしていつまでも待っている
この身を嘆くまい
実が香ると名付けられた私だから
しゃらしゃらと泣きながらはじけて
いつかきっとあの空を突き抜ける
ただひとつの木になろう
高くはるかな木になろう