太陽が少しだけ
隠れて曇り空
混雑した雑踏を
エスケープした
灰と透明が
交差する舗道で
思わず僕の方から
握り締めていた
君の小さな手のひら

その中指の
末端から感じる
切なくて
暖かいものに
思わず
僕の神経と
血のような液体は
堪えきれずに
零れ落ちる

俯いた顔
それでも構わない
今真直ぐと
目の前に広がる
先の見えない
この道に一歩踏み出そう

じゃないと
きっと

常に漂っている
陽の光の幸せの
ほんの些細な一粒を
掴み取れないから




一粒
空夢
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