きっと少しは
うきうきもするのだろう
ここは朝食も食いそびれる宿だけど

単身ふにん先に
どっさりもってかえる
せんたくもの
チャオ!
新鮮なひざしを浴びて
もぎたての野菜のように
夫はでてゆく
チャオ!
はなれていたほうが
やすらかな言葉が行き来する
それは
つかみどころのなかった夫を
もっと
つかめないトコロテンのような
存在に変えたけど
風はライムの香りがする
休日のしがらみは
懐かしく
こどもは青いプールに飛び込んで
魚の様に
夫のあとをおいかけた
叱れて泣きべそをかいて
遠くから
眠ったこどもを微笑ながら
大きくなったねと
良くできた両親のようにふるまって
わたしたちには
そんな共通目的しか
ないから
(愛だの恋だの何だの
 通過したハイウエイの
 まるでパーキングエリア
 滞在した時間は
 ごくごく最短で)
 
そして
なにもなかったように
てをふってまたね
チャオ!
車にはきをつけてね

家族という鎖に
繋がれた夫が放たれ
わたしは
飼い主のような気持から
やっと開放される






チャオ!
星粒
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