どうしてみんな元気なんだろう
冗談言ったりおどけたり
はしゃいだり跳びはねたり
声と声がぐるぐるまわってる

どうしてあんなふうに囁きあって
愛し合えるふたりがいるんだろう
優しさに優しさが返事をして
こころとこころで抱きあってる

いいな・・いいな・・みんな

いいな・・いいな・・ふたり

落としちゃった・・両方の手

なくしちゃった・・目も耳も

ねえ・・拾ってきて

ねえ・・探してきて

書けないよ見えないよ

聞こえないよ歩けないよ

雀よすずめおまえはどこだ

ちゅんと鳴かなきゃ寂しいよ

ゆうべいっぱい練習したんだ

ちゃんとおまえと話せるように

くちばしとくちばしくっつけて

恋だってできるかもしれない

雀よすずめ出てきておくれ

もういいかいまあだだよ

まあだだよさあもういいよ

いいな

2002/02/22

紛失

かくれんぼ

2002/02/22

2002/02/21

その粒子をからだ中に散りばめて

夜空を飛べる鳥になりたい

好きになんてならない星なんて

嫌われてもいい月になんか

きっと見つけてくれるひとがいる

その時がきたら羽根を千切る

ひとつひとつちからいっぱい

ひらひらと光る羽根を追い掛けて

落ちていきたい流れていきたい

光り

2002/02/15

ぼくはまだ土のなか

きみの声がすぐそこに聞こえるのに

ぼくのからだは動かない

きみの足音が近づいてきて

ぴたっとぼくのうえでとまったというのに

ぼくはきみを呼ぶことができない

ここにいるのに そばにいるのに

きみの笑顔のゆくえをぼくは知らない

雨がぼくのからだじゅうにしみこんで

ぼくは少しだけ身震いをする

あたまをあげてもいいかな?

手を伸ばして背伸びしてもいいかな?

ぼくは生きているよ

きみにあいたい ただそれだけの理由で

ぼくは春を待っているつくしんぼなんだ

春たちて

2002/02/06

届きそうで届かなかった夢に

また手を伸ばし掴もうとする

少し痛く突き刺す針の先端を

そっとなぞるそっと触れる時

夢が微笑んでいるかのように

語りかけてくる無言の抵抗が

愛しいと名を変えて支配する

逃げられぬこの呪縛に落ちる

落ちるしかない運命の果てへ

呪縛

2002/02/01

トップページへ

優しいものがいっぱい空から降ってきて

わたしの髪にも肩にもひらひらと落ちた

振り払うには柔らかすぎて

手に取るには綺麗すぎて

どうすればいいのかわからなかった

これはきみにあげるよって

きみにあげたかったんだよって

言ってくれなくちゃわからない

わたしは何処にも動け出せずに

ずっと空を仰いでいる

伝えてくれなくちゃわからないこと

こんなにいっぱいあるんだよ

言葉

2002/02/24

まだまだこれから

いいこといっぱいあるんだよ

ほらほら明日がやってくる

明日は何を食べようか?

いちばん好きなものにしようね

いつかは旅に出なくては

行きたいところがいっぱいあるね

生きていてよかったって

思えることがいっぱい

まだまだこれから

そうそう明日も明後日も

待っているから行かなくちゃ

行かなくちゃみんな一緒に

みらい

2002/02/25

いっぱいあるからひとつあげるね

ちょっと甘すぎるかもしれない

のどが渇いてしまうかもしれない

そしたらわたしが水になってあげる

ごくんごくんと飲み干して

ああ美味しいなって言ってね

ほのぼのは春の味ほのぼのと匂う春

ひとりじめになんかできないよ

ひとりよりふたりのほうがきっと

ほのぼのと幸せなんだ

ほのぼの

2002/02/27

気がつけばこんなに近くにいた僕たち

あたりまえだと思ってた

ずっと続くと思ってた

季節がこんなふうに境界線をひいて

立入り禁止を告げるなんて

信じたくないことだけど

そろそろ握手してお別れなんだね

きみという制服をたたんで

僕はひとりで歩いて行くよ

きみの涙がしみになって

きみの声が宝物になって

だから僕はもうだいじょうぶ

じゃあね・・いつかまた

じゃあね・・ふたりで卒業しよう

卒業

2002/02/28

詩織の部屋へ