いま思っていることをメモしておくね

なんだかとても疲れちゃってるけど

こんなもんさと思うのだ・・・・

新しいノートを買うよ!

罫線のない真っ白なノート

そこにきみの笑顔を書こう

そしてとなりに僕を書こう

めも

2002/03/02

気のせいだったかなって思うんだ

いったい何処がほころびていたんだろう

指先でなぞってみるここらへんかな?

おかいしいな確かに穴が開いていて

冷たくてさびしくてたまらなかったのに

ねえ・・どうしてこんなに元気なの?

ねえ・・いったい誰が直してくれたの?

ふしぎ

2002/03/03

風を切るように自転車を走らせて

少年は突然急ブレーキをかける

いま呼んだ?

私は知らない顔をして空を仰ぐ

雲がゆらゆらと流れていた

なんだ気のせいか

少年は不思議そうに首をかしげる

私は可笑しくてたまらない

ただ雲を見ていただけなのに

青いなって空のことを想って

少年は真っ直ぐ前を向いて

また走り始めた

そして随分遠くまで行ったのに

なぜか振り向いて手を挙げるのだ

じゃあね!って言っているよな

またね!って言っているような

待っていたのかもしれない午後

私は風になりたいと思った

少年

2002/03/06

欲しくてたまらないものだった

それは信じられないくらい優しくて

もったいないくらいありがたいものだった

遠くなる見えなくなる手が伸ばせなくなる

それは私の夢の破片だったのかもしれない

手にとってしまったから血が流れてしまった

たいせつだと気がつかないうちに

捨ててしまえばよかった

もう遅いかもしれないけど

捨ててしまえばよかった

破片

2002/03/14

そこにはたくさんの蝋燭が並んでいるらしい

灯されたばかりの長い蝋燭

短くなっても炎が燃え上がっている蝋燭

青い蝋燭や赤い蝋燭もあるだろう

私はうす紫の蝋燭がいいな

オレンジ色の炎に包まれて

ほんのりと燃えていたらいいな

強い風が吹いても消えないんだ

大雨が降ったって不思議と消えない

それを消せるのは神様だけなんだ

神様は気紛れだからいつでも消せる

だからちゃんと見張っていなくては

消そうとしたら殴り倒してやらなくては

ゆらゆらふわふわ揺れている

ほら綺麗でしょほら燃えているでしょ

命のありか

2002/03/16

ため息を指でつまんだら

微かに嗚咽をもらし始めた

そのまま潰してしまおうと

容赦なく爪を立ててみる

もう逆らえないのに何を

おまえは知っていたのだろう

ひとつ殺しもうひとつ

ふたつのため息が横たわって

目を閉じることも出来ずに

さっき死んだ・・・・・・

処分

2002/03/21

落ちて腐り土に還る日

あなたの足音が聞こえた

立ち止まるはずだと

私はか細く呼んでみる

もうこんなに汚れてしまったの

もう香ることも出来ないの

もう愛されることを忘れたの

通り過ぎる足音が痛く苦しく

私はあなたのまぼろしになり

あなたが私のまぼろしになる

さようならそして私は土に還る

花椿

2002/03/24

一輪の白い花をながめていた

どうしてこんなふうに愛される

あなたがそこにいるのだろう

優しいぬくもりに抱きすくめられて

くすりっと微笑むあなたがいる

ほら・・私はこんなに愛されているの

微笑ましい光景がいつのまにか

わたしのなかで壊れていく

そんなわたしを私は憎むもういやだ

その光景はわたしの夢そのものだった

この先どんなに生き長らえても

届かない掴めない遠い夢だった

嫉妬

2002/03/30

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