白いノート

思い切り言葉をぶちまけてしまいたい

誰の目も気にせずに私だけのノートでありたい

自由でいたいと思う

束縛はごめんだ

書けない言葉が叫び始めている

生まれた言葉を殺し始めている

勇気が欲しい 負けない勇気

書きたい 書きたい 書きたい

脱力

すごくかったるくて

誰かに寄りかかりたくなる

なんて説明すればいいのだろう・・・

からだのちからが消えていく

こころがどんどん白くなる

埋めて欲しいと思うし

塗りつぶして欲しい

息を吹きかけて欲しいし

抱きしめて欲しい

ああ・・わたしは・・たぶん

気がふれているのだ・・・

煙草その2

夕方買ったのに・・

もうない・・・・・

情けないけど辛い・・・

穴掘って寝る!

起こすなよ!

なんだか無性に

腹が立つ・・・

ああ情けないナサケナイ・・・

明日の朝はどうすればいいのだ・・・・・・・・・・・

逃亡

荷物をまとめよう

チャンスはいまだ!

見つからないうちに

遠くへ行こう

声を殺して

そっとそっと

わたしは何処にも

存在しない

もしいたとしたら

それはわたしの顔をした

時間のかけら

壊れた夢の物語

海は荒れている

見ないほうがいいのだ

雨と潮がまざって

涙が薄くなる

空は怒っている

どうしようもできない

みんな空のせいだ

海は荒れている

でも逢いたい・・・・・・

煙草

一本もない

イライラする

結構キツイ

仕方ないので

爪を噛む

痛い・・・・

脱出

コンクリートのひび割れから
ぽたぽたと落ちるしずく
ここは山深いトンネルなのかもしれない
私はとても咽喉がかわいている
息苦しくてもう耐えられない

時々風が吹き抜けていく

「大丈夫! 歩けばきっと抜けられるよ」
「ずっと見ていてあげるから さあ歩こう!」

諦めないで少しづつ前へ進む
もうすぐ光が見えるかもしれない

風が背中を押してくる
疲れたらよりかかればいいと声をかけてくれる

風だけが頼りだ・・・
風だけを感じていたい・・・

容赦なくしずくは落ちる
髪を濡らし頬を伝い
身体中を濡らし始める

寒くても寒いと言ってはならなくて
嘆くことも叫ぶことも禁じられた暗い道

歩いているよね・・・
もう少しだよね・・・

何度も風に問いかける
その度に風は優しく頷く

「先回りして待っていて!」

もうすぐ太陽に逢える
もうすぐ自由になれる

私はそろそろ走らなければならない

解放

疲れたでしょう・・・

靴を脱いでここに座ってみない?

あなたとお話しがしたかったよ

ごめんね・・もっと早くこうしていたら

少しでも苦しみが薄れたかもしれない

ぶつかって痛かったね・・・

こころがめちゃくちゃだったね・・・

煙草吸う?

一緒に吸おう!

あなたはお酒がだめだから紅茶をいれるね

レモンがいいかな?ミルクがいいかな?

いっぱい話そうね・・・

辛かったこと悔しかったこと

歩いて欲しかったよ

走って欲しかった・・・

でも遠くから眺めていたから

声が届かなかったね・・・

私が憎くってたまらなかったね

もう大丈夫だよ!

少しだけお休みしよう・・

何も考えないでぐっすり眠ろう・・

あなたは自由になったんだよ

わかるよね?

もう憎むことも恨むこともない

そんなことに束縛されてはいけない

洗い流して剥ぎ取って放り投げて

振り向かないで悔やまないで

目が覚めたらあした・・・

あしたの次はあさって

少しずつ前を向いて歩いて行こうね!

疲れたらいつでもここにおいで・・

ふたりで風に吹かれて

煙草吸おうね!

そしてちょっとだけ泣こう・・・・・・・・

おはよう

さあ!こころにアイロンをかけて

きれいに折り目をつけて

元気しよう!頑張ろう!

忘れたいことは忘れて

すくっと背筋を伸ばして

今日におはよう!

言えるかな?



海に着いたら

いっぱいおしゃべりしようね!

煙草吸いたかったでしょ?

はい。。ちゃんと持って来たよ!

あらふしぎ。。海の中でもちゃんと火が点く。。

コーヒもあるよ!

ブラックだね。。よしよし。。

何から話そうか。。

全部聞いてくれたら嬉しいよ

人間って嫌だね。。

お魚になりたいよ。。。。

それがダメなら貝殻になって

ずっとここにいたい・・・・・・・・

人間って嫌だね。。

人間って嫌だね。。

人間って嫌だね。。

決心

雨だれにくっついてぽたりと落ちる

さあそれから何処へ行こう

排水溝の泥水と汚臭と嫌悪の

いっぱい流れている場所を

溺れないで泳いでみせる

光が見える場所をめざして

潮の香に包まれるまで

休まないくじけない諦めない

海が好きだ 海に逢いたい

そう決めたからひたすら泳ぐ

逃避

逃げる隠れる消える忘れる

求める縋りつく寄り添う

困る悩む苦しむ

還る走る飛ぶ泳ぐ

すべてのことに疲れた・・・

イケナイ

だめだ・・・・飲んでしまった

イケナイおんなだ・・・・

ああ爽快よ・・おまえは何処へ行ったのだ・・・・

だけどこんなに孤独が愛しい・・・・

ありったけ囁いて強く抱いて・・・・

私のなかのイケナイものを流して・・・・

ため息の渦巻きにのみ込まれて狂いたい・・・・

見ないで欲しい・・・・いまの私を

知らないで欲しい・・・・これが真実なら

それはイケナイことだ・・・・

爽快

酒はわたしを落とすのか・・

ならば朝はポタージュだ!

つぶつぶコーンだ!参ったか!

いいね・・柔らかくて優しくて

いいね・・この感じあったかい

さあ!元気を出そう!

青空だ!秋風だ!感嘆符だ!

落ちないぞ!落ちてたまるか!

てやんでぇ。。。。。。。。

深夜放送

眠らさないつもりなのね

声が襲って来る

笑い声が好きだよ

ため息も好きだ

でも毎晩は聴けない

スイッチを切らなくちゃ

このまま吸い込まれちゃう

ある夜突然終了する

悪夢みたいな夢を見る

聴かなければよかった

少し後悔している

聴かなければ聴きたいと

思わずに済んだものを

あなたの声を

埋葬したい・・・・・

消えるの?

何処に行くの?

風になるの?

冷たいのかな?

わたし生きてるよね?

熱く

ずぶ濡れ冷たいね

熱い息が欲しいよ

溶けちゃうくらい

熱く熱く

愛しくて苦しいくらい

熱く熱く

肩を首を耳を口を

目を髪をこころを

熱く熱く

ねえ?こんなこと言ったら

怒るの?

涙の理由

ふと気付いてしまうことがある

消さなきゃ!と焦る・・・

わたしはこんなにちっぽけだ

だから見つけてはいけない

せつなければ泣けばいい・・・

声を殺して泣けばいい・・・

もっともっとちっぽけな女になりたい

そしてやがて消える・・・

それが運命それが恋・・・

距離

伝えたいことがうまく伝わらない

何度も何度も繰り返しても伝わらない

勇気がなくなる・・・

顔が見えない・・・・

声は聞きたくない・・・

嘘じゃないのに・・・

わかってくれない・・・

遠い遠い・・・・

辛い辛い・・・・

距離・・・・・・



願い

わたしが遠くなっても

わたしを見つけてね

わたしはあなたに毎日ボールを投げる

これがほんとのわたしだよ!って

いつもあなたに叫んでいる

ちゃんと受け止めて欲しくて

泣きながらボールを投げる

届け・・届け・・届け・・

落とさないで!転ばさないで!

わたしを助けにきて・・・・

嫌いでもいいから好きでいて・・・

透明

だから色をつければいい

だから触れてみるがいい

わかる?わたしが?

いまどんな顔をしているか・・

絵の具を絞って色を混ぜて

もっとかき混ぜて薄めて

ここに流し込んでみて

あなたは絵筆を持って

わたしの目を書いて!

わたしの口を書いて!

わたしの手を書いて!

わたしのこころを書いて!

ずっと見失わないでお願い・・・・

天使たちよ

光る空のかなたから

おまえたちは舞い降りてくる

消えそうな命を抱きしめるために

壊れそうな夢をそっとまもるために

いま・・

歓喜の涙が頬を伝う

願うことはこんなに愛しいことだったのか

やがていつか天に召されるそのとき

私はおまえたちの母になりたい

光る空へまっすぐに

おまえたちを抱きしめにいきたい

ありがとう

ほんわかとまあるいこころにありがとう

ひろくおなりすべてをつつんで

ほんわかとまあるいこころがわらってる

まだこれからさまださきがある

いきているよあきもふゆもはるも

またなつがきてまただきしめて

あくしゅしようねゆびきりしよう

ほんわかとやさしいこころにありがとう

うさぎ

わたしたちは檻の中

まだ土のにおいを知らない

いつも決まった時間に餌を食べ

暗くなったら目を閉じる

たくさんの人間に取り囲まれて

いっぱい指をさされることもある

恐いね・・いやだね・・

そう言ってふたりは嘆く

このままここで死ぬんだね・・

悲しいセリフを呟いて

寄り添って眠る深い夜

きみの目はどうして赤いの?

あなたの目も真っ赤よ・・

ふたりは抱き合って夢をみる

美味しい草を見つけたよ

ほら食べてごらん!

見渡す限り緑の草原

まだ生きてるね・・

うん生きてるよ・・

目が覚めて檻の中

赤い目にいっぱい涙をためて

ふたりは泣いた

こんなにつらいことはないよ

こんなに悲しい夢はないよ

反省室

暴れた罰として、今日はずっと笑っていなさい!

わかりましたね!!

居直り!

てやんで〜!矢でも鉄砲でも持って来やがれ〜!

なめんなよ〜!ちくしょう!ばっきゃろ〜!

酒だ、酒だ、酒持って来い〜〜!

馬鹿!

馬鹿な奴だ・・

早く消えてしまえ!

早く死んでしまえ!

とうとう狂ってしまった・・・

仁成

好きだよ〜〜〜!

汚物

わたし汚い?

人生

だいじょうぶだよって言ってよ・・

もういいよって言ってよ・・

だいじょうぶじゃないの?

まだずっと歩くの?

どこまで行くの?

いつ死ぬの?

死んだらどこにいくの?

寂しいよ・・

真っ暗で何も見えない・・

もう歩けない・・・・・

痛い・・

穴があいた・・

痛い・・

早く塞いで

早くその手で

流れていくよ

どろどろと

もう止らない

痛いよ・・

痛いよ・・

狂気

もうすぐ狂っちゃう

助けて助けて助けて助けて助けて助けて

海ふかく

沈んで沈んで

逢いにいきたい

眠っていたら起こしてあげたい

帰れ!と言ってもカエラナイカラナ!

ぽたぽたと血が落ちる

きれいな血だ

生きているんだね・・

だけど時々ふっと

空っぽになりたい

粉々になりたい

消えてしまいたい

ぽたぽたと血が落ちる

どこへ流れていくのだろう・・・

喧嘩

お願い!

もう暴れないで・・

そして泣かないで・・

何も聞かないから

おとなしく眠って・・

私はどうかしているのよ

それはあなたのせいじゃない

こころがずっと喧嘩している

殴ったり切りつけたり

苦しんで血を流したり

それでも生きていたい

だから殺さないで・・・

もう喧嘩しないで・・・

空白

なにかが足らないなんだろう?

ずっと落ち着かないどうしてだろう?

どんどんこころが白くなっていく

ねえ・・何か書いて

ねえ・・色をつけて

少しだけ思い知らされている

それがなにかは今は言えない

風よ

わたしは生きてるの?

今どこにいるの?

風が痛い・・

刺してどんどん穴を開けて

わたしのなかの汚れたもの全部

零れ落ちてしまうまで

刺してもっと思い切って

風が熱い・・

どうしてここにいるの?

いまなにか言ったの?

わからないから抱いて

わたしの耳に風よ伝えて

おやすみ

せめていい夢を見よう




2001年10月の詩

詩織の部屋へ