一歩 |
ぼちぼちと元気拾って行こうかな
とぼとぼと三歩進んで二歩下がる
それでもちゃんと進んでいるよ
だから笑っていてごらん
きっと空の雲だって
一緒に歩いてくれるかも
不確かでもいい
辛くてもいい
歩くことがきっと好きになるよ
反抗期 |
こころがちょいとさみしいさ
なんだか大きな穴があいてしまった
いくらふさいでもふさがらなくて
どんどんすきまがあいていく
だめだよこころ!ちゃんとしなくちゃ
だめだよもっと!元気でなくちゃ
何度つぶやいても
いうことを聞いてくれない
おまえはきっと今が反抗期なんだね
うさぎとたぬき |
うそつきとうそつきが
だましあってにらめっこ
笑うとだめよ
あっぷっぷ
うそにはうそで
たいあたり
痛くなんかないから
ぜったい平気!!
雲 |
なつかしいなあって思ったよ
綿菓子みたいにふんわりと
手を伸ばしたら届きそうで
だからちょっと背伸びしてみた
ただそれだけのことなんだよ
うそつき |
僕がたくさんうそをついて
それできみが救われるなら
僕はありったけのうそを
きみに伝えよう
泣きたくても微笑んで
さびしくてもはしゃいで
待っていてもしらんぷりして
どんどん遠くへ行ってやる
それできみが救われるなら
僕はおおうそつきでデタラメな
素直じゃないひとになってやる
きみの傷口がとても辛いから
僕のうそで抱きしめてあげたい
かえりたい |
みつからない
からまわりしてる
おいかける
おいつけない
ここではない
ちがうところ
そこはどこ?
わからない
かえりたい。。。
秘密 |
秘密だらけのあたしだけど
秘密は大きらいだ
素直でいたいなといつも思う
だから素直でないひとは嫌い
わすれもの |
たいせつなことをわすれている
わすれてはいけないことなのに
わすれたらさびしいことなのに
ふりむいてみたらたくさんの
わすれものが泣いていた
だからこれからだきしめにいく
動かないで壊れないでそのまま
そこにいてほしい
誤解 |
そんなふうにみたらだめ
あたしはそんなんじゃない
でもそんなふうにみえるなら
あたしは消えちゃいたい
さがさないでください
なんて言ってみたいな
どこか遠いところにいこう!
あたしの居場所 |
今夜あたしはぱちんと壊れて
はーとがぴりぴり泣いている
ばかだなって思うけど
そんなあたしがちょっと好き
星がいっぱい降ってきて
あたしが埋もれて見えなくなっても
思い出してくれるだろうか
あたしをさがしてくれるだろうか
あたしはねちょっと光ってみる
きらきらじゃなくてもっともっと
ぐっとくる輝きの光よりあかるく
だからきっと見つけて欲しい
手探りではなくかならずという
確信と存在とあたしの居場所
こころ |
こころがとっても忙しいの
あたふたともやもやといらいらと
くよくよとめそめそとふうふうと
がんばれなんて言っちゃだめだよ
よけいに忙しくなるんだから
はやくおやすみしたいね
のんびりごろんと寝ころんで
夢のつづきをみてみたい
ぐうぐうとでれでれとはらはらと
夢が途切れてもあたしは眠る
望み |
ぼくって水になれる?
だってきみがあんまりしぼんでいるから
ぼくは心配で眠れないんだ
もう冷たくなんかないよ
太陽がこんなに輝いているから
きみだってきっとのどがかわいてる
でもぼくっておせっかい?
あさひるばん眠るまで
きみのそばにいたら困るかな?
つぼみが固くなってる
もう少しで花が咲くというのに
きみはあたまをあげてくれない
ねえ おいしいよ
たっぷり飲んでみないか?
ほらうつむいてばかりいないで
ぼくはきみだけの水になったよ
ぽわん |
あらいやだ 今ふくらんだよ
さわってみて そっとだよ
ぽわんってしてるでしょ
ちょっとつっついてみるね
ちょんちょんちょん
あらこれって 不思議だね
軽いけど重そうで重そうで
たよりなくて でもちゃんとしてる
浮かぶのかな?風船なのかな?
ぽわんぽわんぽわん
いいじゃんこれ 好きだよ
あたしだけのあたしのハート
盗んだらだめだからね!
ふう |
ふう ほんとはくたくた
でも負けないからね
ふう 疲れちゃった
でも負けないからね
もうひとりのあたしに告ぐ
あんたは間違ってるよ
あんたの言いなりにはならない
ふう おおきく息を吐き出したら
あんたなんかこっぱみじんさ
あたしはあんたを助けない
だから今夜死んじまえ
ふう ふう ふう
どうだまいったか!
ぷうっと! |
あたしのくちをおしひらいて
ありったけの息を吹きこんで欲しい
やあ! |
やあといいじゃあといい風になる
風になり幾としかさねて空になる
空になり雲の綿菓子おいかけて
おいかけてついに星になったきみ
きみの声忘れてなくてよかったね
よかったねだけどいつかは遠くなる
遠くなるだけど明日はやってくる
やあといいじゃあといい明日がくる
やあといいじゃあといい夢になる
しゃんとしゃんと |
ああ また高くなってる
空に届いて雲をつかんで
神様の背中におんぶしてるみたい
足元にきをつけて
しゃんとしゃんと歩かないとね
落とし穴とかありそうだし
そこらへんに石ころがいっぱい
遊んでる場合じゃないんだよ
わかってるよそんなこと
ねえ しゃんとしゃんとしてるよね?
やだ・・鏡なんてはずかしいよ
すきま |
すきまを埋めたい
塞ぐのじゃなくて詰め込んで
吐息やため息じゃなくて
もっと愛しいもので
どこがどんなふうに
穴があいているのか
あたしには見えない
でも息をするたびに
逃げていくなにかを感じる
だからたぶんあたしは
穴だらけでみっともなくて
笑うとズキンってこころが痛い
糸 |
ふあんていでなくなってあんていして
あんていしてるけどさびしくて
さびしいけどうれしくて
うれしいからしあわせで
だからさ・・なにをいいたいわけ?
ちょっとほころびているかもな
むらさきの糸がいいかな?
しっかりぬいつけておかないと
あたしのなかみのあたしが
ぜんぶおっこちてしまうんだ
だからさ・・糸をください
2001年5月の詩