海へ

一晩中あなたは 鳴いていましたね

疲れたでしょう おやすみなさい

あなたが鳴くのは あなたのせいではない

空が 風が 怒っているから

あなたを揺さぶっていじめているから

あなたは太陽に逢えなくて寂しい

優しく戯れる小船の姿を探しながら

何度も何度も叫んでいる

疲れたでしょう おやすみなさい

今夜はもう鳴かなくていいのです

明日は太陽に逢いましょう

青いそのからだに赤く血の道標を流して

あなたは空に抱かれる

空があなたを抱きしめる

その時は ほんの少し許しましょう

あなたが鳴くことを 海が鳴ることを

元気?

はい!ちょっと。。

ちょっとってどのくらい?

わかんないよ。。

どうやって測るの?

わかんないよ。。

それは何処にあるの?

どんな色でどんなかたち?

元気は答える

ただ はい!という 

それがきみの元気そのもの

かくれんぼ

もういいかい?

まあだだよ!

でもあたしは目を開けてしまった。。

そこにはあたしの知らないあなたがいて

急いで逃げるところだった。。

見なければよかったとあたしは思う。。

あたしは あなたが隠れているまに

逃げればよかったのだ。。

目隠しをしたままでも走って逃げていたら

何も見なくて済んだのに。。

もう二度とかくれんぼはしない

もう二度とあなたをさがさない

すこしはがゆい

すこしじれったい

そしてかなり悔しい

あんたなんか。。大嫌いだ!

そんな嘘が今ならつける。。

墓穴

また 掘った

今度は 深い

せっせと 掘った

もうすぐ 落ちる

タスケテ オネガイ

葛藤

消そう 消そう 消そう

連呼するなよ!

なんて怒っている場合ではないのだ

このままでは壊れるのだ

だから早く

消そう 消そう 消そう

壊れてしまわないうちに

消えてもらおう

この貧乏なこころの些細なわだかまりと卑屈と

どうしようもない葛藤とあたし

憂鬱

跳びたいのに跳べない

高い跳び箱のように

夜が目の前に聳えている

さっきからずっと。。

大きく息を吸って

跳ぼう!跳べる!頑張る!

なんどもつぶやいている

夜が恐い。。たまらなく恐い

あなたの輪郭と残した言葉の渦のなかで

ふと懐かしい声が聞こえてくる

怒っているあなたじゃなくて

それは飛び跳ねているあなた・・

手を伸ばせば届きそうなくらい近くに

あなたの声が聞こえる

でもほんとうはこんなに遠いところにいる

そして思い出すだけのあなたの声・・

あなたの瞳に逢いたいと思った

声だけを頼りにさがしたいと思った

いつかきっとさがし出せると信じたい

あなたの瞳に  あいたい

やすらぎ

ほんわか ほのぼの

やすらぎってこれ?

いつも逃げてばかりいるのに

気紛れなんだから!

ほんわか ほのぼの

こころが眠ってしまいそう

夢のつづきが見たいのかな?

まだ憶えているんだね。。

いいよ それで このままで

ほんわか ほのぼの

眠ろう 眠ろう ぐっすりと

おやすみ こころ やすらいで。。。

瞬間

そっとこころを抱きしめる

何も心配いらないよ。。

そっと目をとじてごらん。。

ほら。。熱いだろ?

どうして泣くの?

こんなに抱きしめているのに。。

何が不安なの?

言ってごらん。。

一晩中。。聞いてあげるよ

さあ。。顔をあげて。。。

拭いてあげよう。。

ほらほら。。涙!

「今泣いたきみが笑う」

その瞬間が好きだ!


望み

悔しいって思う

負けないって思う

でも闘えない

あたしに出来ること

それは書くことだけだ

伝わらなくてもいい

気付かなくてもいい

あたしの息を感じて欲しい

生きてることを知って欲しい

そしてあたしを

忘れないで欲しい

眠れないのじゃなくて

眠りたくない夜がある

何かが押し寄せてくる

それは波のように

ひいてひいて またくる

裸足になろう

濡れてしまおう

あたしのことをもっと

知って欲しい

何も伝えない何も言わない

ただ裸足のあたしでいたい

そんな夜は 眠りたくない

ダンス

こころが踊る

くるくるまわる

振り向いて目配せ

つかまえてお願い

こころが踊る

もう止まれない

手を振ってみる

見つけてお願い

踊り疲れたら抱いて。。

もういいよ。。って言って。。。。。。。

ロボット

壊れちゃうかもしれないけど

ちゃんとしっかり作ったよ

ほら。。これが手

ほら。。これが足

ほら。。目も鼻も口もある

動かしてみるから見ててね

ギコギコガタガタゴロゴロ

ほらね。。だいじょうぶみたい

鼻のボタンを押してごらん

いつまでも笑い続けるんだよ

大切にするね 壊さないように

あたしが作った「泣かないロボット」

雨に濡れたい時もある

流す 流す こころ

髪から落ちる雨を

愛しいと思えるような

そんな雨にあいたい

流す 流す なみだ

夜はせつなく

こころ痛めて

夢のつづきを

ラストまで

最終回と

再放送と

新番組と

そんな夢があってもいい

シアワセ

朝の この 元気を

幸せだと 思う 朝を

ありがとう 素直に
 
言えることが シアワセ

願い

いつからだろう?

きみが嬉しいと言ってくれたら

僕も嬉しくてたまらなくなった

いつからだろう?

きみがとても辛そうだと

僕は悲しくてたまらなくなった

いつからだろう?

こんなふうにきみを追い駆けてること

幸せだなって思うんだ

だから消えないで欲しい

だからずっと輝いていて欲しい

僕が迷子にならないように

疑問

ここはどこだろう?

飛ばなくちゃと思って

羽根をいっぱい広げてみた

どっちへいけばいい?

地図がなくても行ける?

とても高いところにいる

見覚えのある風景だけど

ここはどこだろう?

あたしは誰だろう?

元気

元気な朝は嬉しい

嬉しいから跳ねる

跳ねても転ばない

転ばないから走る

走るから風になる

風になり空になる

空になり抱きしめる

抱きしめる朝の元気


空白

あたまのなかが。。からっぽ。。。

今なら 落書きが出来る

なんでも好きなこと書いていいよ

おとなしくしてるから

じゃあ。。ここにペンを置いとく

消しゴムじゃ消えないよ

だからあとで後悔しないようにね

会話

なんや もやもやするわ!

ん?なんでや?

どないしたん?

わからへん わからへん!

なんかくすぶっとるんとちゃうか?

焦げ臭いで!ええのんか?

もう知らんわ もうええわ!

あのな・・そんなん喚いたって

どうにもならへんで!

あほやな・・あんまり跳びはねとるから

落ちたりするんや!

ほら手を出してみ!

離したらあかんで!

おおきに・・いっつも「おおきにな」

方向音痴

ずいぶん遠くまで来てしまったから

帰り道がわからなくなったよ

目印を付けておけばよかった

たとえば笑顔の曲がり角

たとえば涙の交差点

そうそう 子猫にあったんだ

あれはいったい何処の路地?






2001年7月の詩

詩織の部屋へ