幼子がばいばいって言って
よっちよっちときょとんと
ふりむいて微笑んでみせて
遠くなる
お陽さまの空にすい込まれるように
遠い記憶が恋しくてならない母がいて
あの日転んだことあの日起きあがった
その泣き顔と笑顔をぎゅっと抱きしめる
かあさんも歩けたよ
もうずいぶん遠いところ
だけど空はあの日とおんなじ空だった
春みたいな風がふいて水の匂いがして
行ってみたいなって思ったんだ
みずのながれさらさらとずっとはるか
海にだっていけるようにおもったんだ
だけど空はあの日とおんなじ空だった
かあさんは
もうどこにもいかなくていいよね
こども
2007/1/20