江戸住人絵図・猫又編
猫侍に登場する、個性豊かな猫又の面々(の一部)。


「弟斬り」十兵衛(おとぎりじゅうべえ)
 
本作品の主人公。5歳で人語を解し、転化の術を使いこなして猫又となる。現在30歳。
猫又達の住む御神楽府で剣客として名を馳せていたが、ある事件がもとで
弟・又次郎を斬殺してしまい「弟斬り」の通り名を冠せられる。
以後、十兵衛は御神楽府を出る事を決意。
親友・仁右衛門の誘いを受け、江戸をめざす。


「斬馬」弥四郎(ざんまやしろう)

剣客集団・御神楽党の現党首。古代から伝わる剣術「御神楽陰流」の使い手。己のやり方に反発する十兵衛を執拗に狙う。
「阿蘭陀」仁右衛門
(おらんだじんえもん)


蘭学マニアでいつも変な発明をしては爆発している。十兵衛とは何故か気が合い、旧知の仲である。
江戸に出てきたばかりの十兵衛になにかと世話を焼いてくれる。
太一(たいち)

御神楽府の大道場「光道館」の跡取りとして江戸に修行に出されている。稽古もせず食っちゃ寝の毎日を送っているが剣術が嫌いではないらしい。師範の居なくなった三矢道場に十兵衛を引きずり込む。
梯ノ助(はしのすけ)

太一と同じく三矢道場の門弟。血気盛んでひたすら強さに憧れている。チンピラを斬り捨てようとしていたのを止められ、十兵衛には始終反発している。
「鐘つき堂」陣五郎
(かねつきどうじんごろう)


深川一帯の猫又を統括する縄元。本人は嫌がっているが御神楽党の末端機関としての活動を余儀なくされている。
無頼衆筆頭 壱之新(いちのしん)

深川の血気盛んな若者達が反・御神楽党として組織した「無頼衆」を率いる。面倒見がよく、喧嘩にもめっぽう強いため子分達には頼りになる兄貴分である。
その侠気には十兵衛も一目置いている。
柚子(ゆず)

料亭「ますみ」の飼い猫。5歳。
猫又として覚醒したばかりで、なにかとおぼつかない面もあるが天真爛漫で人なつこい。
墨壺(すみつぼ)
腕のいい細工職人である老猫。
昔は裏の世界で生きていたらしいが、今では大工の彦六に飼われて平穏な毎日を過ごしている。
カワハギの干物が大好物。
うの
年がら年中歌って踊る17歳。
そのハイテンションぶりは、十兵衛も苦手としているようだ。幸兵衛長屋の屋根の上で歌っている姿をよく見かける。
又次郎(またじろう)
十兵衛の弟。剣術の潜在的才能は兄をも凌ぐと言われていたが、ある事情から兄(十兵衛)と果たし合い、斬殺される。
源庵(げんあん)
深川に住む、猫又達の町医者。
「医は仁術」を体現する男。
釣りが趣味で、時折釣り場に顔を出す。