マヌーツェへの挑戦


先日の過ちを繰り返さない為、説明書をある程度読んだ。 準備は完璧!
今回は穴蔵部隊の記念すべき第一歩だ(先日の事は無かった事にして下さい)!!
まずはデモを見て気持ちを高ぶらせる。
そしていよいよ、
マヌーツェ峰への二度目の挑戦
今回は説明書に従って、簡単な斜面と季節(六月)を選択した。
おっさん隊員を隊長とする九州部隊がどんどん進んでいく。 理想ルートとはちょっと違うが、まぁいいだろう。 ほどなく少し開けた場所にテント設置。 ここは落石の心配があったのでそのまま前進。 その後をDEVUN隊員を隊長とした関東部隊が移動速度・滑落回避率を高める為にルート工作(目印を付けていく作業)をしていく。
九州部隊が安全な場所を発見したのでそこにテント設営。 その直後、
先のテントに襲い掛かる落石!!
危ないところだった・・・
安心したのもつかの間、関東部隊員が滑落してしまった!!
登山を始めて四日目の事だ。 まさか・・・
『大事には至りませんでした』
無線が私を安心させる。 よしよし、がんばってくれ。

ルート工作によって部隊の遭難も発生せず、三つめのテント設営。 気が付くと、山頂までは既に千米を切っている。 かなり調子がいい。 もしかしたら・・・ 期待に胸が膨らみます。
だが、ここは標高六千米を越える高さだ。 台風並の突風が隊員の前進を阻み、なかなか進まない。 数日後、やや風の収まった日を選んで関東部隊を前進させた。 そして、二つ目と三つ目のテントの間がかなり厳しいルートになった為、九州部隊にルート工作を命じた。
そして迎えた魔の十九日!!
移動中の関東部隊から突然の連絡が!!
『落石が発生しました』
第二部隊との連絡が途絶えました。
作業途中だった九州部隊に捜索命令を出そうとすると
『ルートを見失いました』
なぜだぁぁぁぁぁぁ!!
残存していた隊員で捜索隊を編成させ、即出発。 だが今回はかなりベースキャンプから離れている。 間に合うのか? すると・・・
『ルートに復帰しました』
DEVUN隊長の嬉しい連絡が入った。 だが・・・
『RYU隊員が死亡しました・・・』
岩が直撃したのだろうか? 高い能力を持っていた隊員だったのだが・・・ 見ると、関東部隊はもれなく怪我を負っている。 まともに動ける状態ではない・・・
おっさん隊長からも連絡が入る。
『隊員が軽度の高度障害になりました』
私は昨日、遭難した時にはむやみに移動させると極めて危険だと学んだばかりだ。 彼らにはその場にて待機を命じた。 すると、標高五千米を越えたあたりで捜索隊から連絡が・・・
『隊員が滑落しました』
・・・・・・・・・
もはや部隊を編成させるだけの隊員は残っていない。 というよりも
全員、ほぼ遭難状態!!

結果、関東部隊はDEVUN隊員と凪隊員を残して全滅。 九州部隊も救助してみると半数の隊員が尊い命を失っていた。 更に助かった隊員の半数はそのまま病院へ移送される事になってしまった。 ベースキャンプに戻ってきたおっさん隊員がこう言った。
『今回は被害が多すぎます。 撤退した方が・・・』
・・・仕方ない。 だが、まだやらねばならない事がある。 関東部隊の生存者救出である。 おっさん隊員を隊長とした救助隊を結成して再び登り始めた。 だが・・・ 移動力がゼロになってしまった関東部隊を目の前にしながらも彼らは・・・
『これ以上はどうしても進めません』
そのまま第三テントまで引き返し、食事して寝てしまった。 二次遭難を防ぐ為なのだが、
かなり酷なゲームだ!!
その間にも絶望的なDEVUN隊長からの無線が入ってくる。 何だか胃が痛くなってきた。

それ以降、更なる死亡者もなく、生存者救出と遺体の移送を少しずつ行っていった。 不思議な事に落石や滑落等は全然起こらなくなっていた。
約二週間を掛けて全隊員の収容と全テントの撤去作業を完了した。
後は残された命令をするだけだ・・・

そして、能力的に優れていたおっさん隊員やよっぱ隊員が引退申請してきた。 能力が優れているのはそれだけ高齢という意味でもあるのだが、その結果、穴蔵部隊には若くて経験の浅い隊員ばかりになってしまった。

今回、無事生還して隊にも残ってくれた隊員、
DEVUN隊員。
DK隊員。
ウルフ隊員。
ゆき隊員。
あ〜る隊員。
五人だけやないか!!
いなくなってしまった隊員達は来年、新規隊員として再び雇う事にしよう。
とにかく、二度目の最初の年の挑戦は、

登頂失敗!!


一九七八年に発見されたというチョモランマ(エベレスト)を超える標高の K−ZERO という山なんて、今の私にとっては正に、
神の領域!!