最初にゲームの流れをフローチャート式に説明してくれた(音声付)。 説明書はいつもの通り、見ていなかったがこれでゲームが出来そうだ。 本格的に取り組むのは後日という事にして、まずはゲーム内容を把握する為にちょっとだけやってみた。 まずは登山隊の名前を決めねばならなかった。 私は思案した。 ゲーム内で名前を決める時、私はいつも悩んでしまう。 ふと視線を部屋内にめぐらすと、パソコンが目に入った。 ・・・・・・! 名前が決まった。 |
穴蔵登山隊 隊長:くまゼット |
やはり隊員の名前もそれに因んだ方がいいだろう。 みなさまの名前を借りる事にした。 パーティーは六人、寝る時は馬小屋と決めている私は、六人ずつの隊を二つ編成した。 おっさん隊長を中心とする九州部隊とイワ王隊長を中心とする関東部隊が出来上がった。 最初に挑戦するのは 『マヌーツェ』 という山、いきなり標高七千米以上である。 いきなり難しそうだ。 富士山からではダメなのだろうか? とりあえず九州部隊を出発させてみる。 『ルートが見つかりました』 更に前進させてみる。 『ルートが見つかりました』 おっさん隊長はなかなか優秀である。 いや、意外とこのゲーム、簡単なのでは? そう思った時、おっさん隊長から連絡が入った。 『もう遅いのでベースキャンプに引き返そうと思うのですが』 ゲーム内の時間を見ると、昼の二時を少し過ぎた頃だった。 まだ早いんじゃないのか? でも、結構前進していたのでそれ以上の探索はやめてテントを張ろうと思った。 『テントがありません』 何? 何が起こったんだ? 『食料がありません』 次々とおっさん隊長から無線が入る。 どうやらベースキャンプを出る時に装備させてやらなければならなかったようだ。 言われてみれば納得である。 仕方ないのでおっさん部隊はベースキャンプへ帰還させた。 途中、腹が減ったという無線が何度も入ってきた。 きっとDK隊員だろう。 続けて関東のイワ王部隊、きちんと装備させていざ出発。 昨日発見されたルートの先端にテント設営、更なる前進を試みた。 しばらくすると帰りたいという無線が入ってきた。 今回は近くにテントもあるんだし、そう思ってもう少しだけ進ませてみた。 だが、ペースが著しく落ちてきた。 よく見ると、何かのゲージがかなり下がっている。 ヤバイのかな? 私はテントまで引き返すよう連絡した。 すぐにイワ王隊長から連絡が入ってきた。 『ルートを見失いました』 え? これっていわゆる遭難というヤツではないのか? 私は焦った。 遭難対策は最初のフローには含まれていなかったからだ。 コマンドを調べてみると、捜索という文字があった。 捜索隊を編成出来るのだ。 ここで私はもう一度考えた。 九州部隊も関東部隊も共に新米、二次遭難になってしまうかもしれない。 そこで初期登録されていたキャラを使った大規模な捜索部隊を編成、出発命令を下した。 『今日はもう遅いので行動は明日になってから行います』 なんだとぉぉぉぉぉ!! 食料が足りません・・・ 食料がありません・・・ 隊員が凍傷になっています・・・ 悲痛な連絡が次々と入ってくる。 許してくれ、私が至らなかったばかりに・・・ それ以前に説明書を読まなくて・・・ 翌日、大捜索部隊は昼前にイワ王部隊を発見した。 その間、更なる前進を試みるおっさん部隊。 昨日、イワ王部隊が断念した地点でテント設営。 今日はここで夜を明かし、明日は更なる前進だ。 また無線が入ってきた。 『テントが足りません』 ・・・・・・ どうやらひとつのテントに六人も入れないみたいだ。 だが、持ってきたテントは彼らの目の前にあるひとつしかない。 交代で休ませるという選択もあったが、根本的な問題解決にはならない。 ベースキャンプまで引き返せ!! そう命令したのが間違いだった。 『ルートを見失いました』 またかぁぁぁぁぁぁ!! 今度はかなり遠い。 少しでもキャンプに近い方がいいだろうと思い、強行させてしまった。 落石が発生しました。 よっぱ隊員が負傷しました。 次々と無線が入ってくる・・・ そして・・・ ゆき隊員が死亡しました・・・ あぁぁ・・・ 許してくれ・・・ いくら試し登山とはいえ、死亡者を出してしまうとは・・・ しかも登山を始めてからまだ四日目、一週間も経っていないのだ!! 部隊を三人ずつにする為、新たに幽太部隊を編成。 十分な装備をさせて出発させる。 そしてもしもの為にテントを増設してから先に進ませる。 『ルートが見つかりません』 『ルートが見つかりません』 進めなくなってしまった。 地形が悪いのだろうか? とりあえずテントまで帰ってもらう。 『ルートを見失いました』 お前らもかぁぁぁぁぁ!! またまた捜索部隊の登場である。 何だかゲームの目的が変化してきたような気がする。 捜索部隊が出発した後、幽太隊長から連絡が入った。 『ルートに復帰しました』 捜索部隊の立場は? 幽太部隊も無事に近くのテントまで移動したので捜索部隊は引き返す事にした。 そうしたのだが、またまた事件発生!! 落石がテントを直撃!! 第三部隊との連絡が 途絶えました!! この山は呪われているんじゃないのか? 捜索部隊をまた向かわせる。 無事でいてくれ、幽太部隊。 すると、幽太部隊のRYU隊員から連絡が入った。 『隊長が負傷したので、以後の指揮は私が行います』 頼りになるぜ、RYU隊員。 結局、頂上が見える位置まで進む事が出来たのだが、おっさん部隊・イワ王部隊、共に遭難。 捜索部隊でも発見出来なかった。 登頂を断念して撤退命令を下すと、残った隊員から 『まだ戻って来ていない部隊がありますが・・・』 痛い、このひと言は痛すぎる。 食料も尽き、連絡が途絶えて一週間。 私は決断した。 撤退だ!! その後、途中に残してきたテントはゴミに換算され、どこかからお叱りを受けた。 更に、残った隊員が引退申請してきた。 穴蔵部隊、ほぼ全滅!! ぶふぅー こんこんー 残った幽太隊員がそう言って慰めてくれているような気がした。 |