高○荘 ・・・ 香川県



某大学のオマケです。 大学周辺には、多数の学生寮(アパート)がありますが、ここもそんな
中のひとつです。 大学の近所にあり、大通りからも離れているので静かです。 当然春には
毎年、入居者で いっぱいになります。 五月までは・・・

  当然ここも 出る んです。
  私が入学する数年前の事です。 ある男子
  学生が自室で自殺をしたのです。 一階の
  真中の部屋なので、写真のフラッシュが反射
  している部屋か、その隣室での事です。

  その部屋が空き部屋になった数日後の事
  です。 ちょうど真上にあたる部屋に、同じ
  アパートの住人(学生)が集まって、酒を
  飲んでいました。 男三人に女一人の四人
  が そこにいました。
  やがて、話は自殺した学生(仮にN君と
  します)の話へとなりました。
『あいつ(N君)、死んじまったなぁ』
そんな話をしていた時です。 少しうつむいていた女の子が突然 アグラ姿勢になりました。
二十歳前後の女性のそんな姿はなかなか見る事は出来ません。 当然、他の学生が聞き
ました。 どうしたんだ、と。
『オレや・・・』
ハッキリとした男性の声が返ってきました。 聞き覚えのある声です。
『まさか・・・ Nか?』
『そう、オレや。 Nや。』
どうしたんだ? なんで戻って来たんだ? みんなでN君に聞きました。 女性の口を介して
N君が語りだしました。
今、自分のいるところは真っ暗で何もない。 死んだ犬や、顔の潰れた人間しかいなくて
タイクツだと言うのです。 どうやら死んだ事とかは理解しているようです。 学生達は、N君が
憑依している女性の事が心配になり、帰るよう話しだしました。
すると、自分の事を喋り続けていたN君は突然
立ち上がり、窓から飛び降りようとしたのです!!

慌てて他の学生が取り押さえました。 が、女性とは思えない力で暴れます。 結局、三人
がかりで床に押さえつける事が出来ました。 たったひとりの女性を男三人でやっとです。
『あれ? みんなどうしたの・・・』
女性は我に返りました。 何も憶えていないそうです。
その年、そこに入居していた学生は全員 引っ越してしまいました。 どうやら、それ以来 N君と
思われる幽霊が出没するようです。
先ほども言いましたが、立地条件はそんなに悪くないんです。 毎年、春には何も知らない
新入生が入居します。 ほぼ全室 入居します。 が、五月を迎える頃には毎年半数の学生が
引越していきます。

私は何も知らない内のひとりにならなくて、本当に良かったと思いました。
が、私の住んでいた学生寮も似たようなものだったん
ですけどね!!