こどもの頃の出来事です。 夜、夏の暑い夜にそれは起こりました。 カタ・・・ コト ・・・ カタ・・・ 誰もいないハズの二階の寝室から物音がします。 何だろう? 泥棒かもしれない、なんて事は全く考えませんでした。 何かがいる! それを確かめなければ!! 子供の好奇心は時に誤った判断をさせてしまいます。 しかし、私は怖かったので 姉に頼みました。 軽快に階段を上っていく姉、心配そうに見守る私。 その直後、 意味不明の嬌声と共に階段を転げ落ちるように 逃げてくる姉!! 姉の身に一体何が!! 動転している姉の言葉は理解不能です。 しかし、ただ一言だけ理解出来る単語がありました。 子守り・・・ 私は想像の翼を羽ばたかせました。 そして ひとつの結論が・・・ 子供(赤子)を抱いた女性の姿・・・ これって幽霊なんじゃないのか? それを裏付けるような姉の動揺 ぶり。 もしかして幽霊と初対面が出来てしまうかもしれない。 しかし、私にはそれをひとりで確認するだけの度胸はありません。 私に呼ばれた父が階段を上っていきます。 その後ろについていく 私。 物音はまだ聞こえてきます。 二人で襖の隙間から部屋の様子を窺います。 幽霊が待っている 室内を・・・ ガタ・・・ コト・・・ カタ・・・ 室内に女性の姿はありません。 が、物音はまだ聞こえています。 幽霊だからな、姿を隠しているんだろう・・・ そんな子供の浅はかな考えを知ってか知らずか、父は無言で室内に 入っていきました。 突然 父の横で闇が動きました!! それをすかさず掴み取る父の腕!? その後、ふざけて私達を追いかける コウモリを生け捕った父の姿が ありました。 幽霊なんて本当はいないんだ・・・ 逃げながら私は そう思いました。 教訓 好奇心に身を任せて行動する事は控えましょう。 とても怖い体験を してしまうかもしれません。 それと、夜には誰もいない部屋の窓は 閉めておきましょう。 とんでもない客が侵入してくる事があります。 注意しましょう。 |